ジャパン・プラットフォーム(JPF) 公式ブログ

緊急人道支援組織、認定NPO法人ジャパン・プラットフォーム(JPF)のブログ。NGO・経済界(経団連、企業など)・政府(外務省など)が連携し、国内外の緊急人道支援を実施。寄付金・募金受付中。

JPF熊本支援報告会を行いました

金木犀香る秋になりました。馬肥ゆる秋、食いしん坊の私が一番好きな季節になりました。

宮城地域担当の三浦です。

宮城の秋の風物詩としては「いもに会」がありますし、食べ物のお勧めはなんといっても「はらこ飯」なんですが・・・

今回は、9月28日に行ったJPF熊本支援報告会について紹介させていただきます。 

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 JPFの熊本地震対応は4月14日の余震から情報収集を開始、16日の本震当日よりスタッフが現地入りしています。これまで加盟団体中心に初動対応を続けてきました。9月28日の報告会では、初動対応から現在に至るまでの活動報告の他、今後の熊本支援についての方針も発表させていただきました。今後の熊本支援としてJPFでは、熊本の地域力向上のための育成プロジェクトを計画させていただいております。

なぜ緊急人道支援をミッションとしているJPFが育成プロジェクトを行うのか簡単に説明させていただきます。

これまでのJPF国内事業部は「海外での経験」を活かし、東日本大震災の緊急対応を行ってきました。初動期の物資配布や、炊き出し、避難所支援や応急仮設住宅の生活備品の提供など、質、量ともに海外での経験があったからこそ支援事業を展開できました。

一方、東日本大震災の経験から見えてきたこともあります。それは初動(緊急)対応から日常支援へのシームレスな移行が被災者の安心安全にとっては大変重要であるということです。この移行が円滑に行われないと支援に切れ目ができてしまい、一時的に被災者の安心安全が脅かされてしまいます。

初動対応から日常支援への移行期は、支援の担い手も変わります。外部支援の多くは被災地から撤退し、地元の行政、社協、NPO、自治会などが復興の担い手となります。外部支援と異なり地元の組織は被災しており、災害直後からの活動を続けてきて疲弊しています。

しかし、地元の力が本当に必要となり試されるのは外部支援が撤退したあとの「中長期的復興のフェーズ」です。そして震災を起因とした新たな地域課題に対応するノウハウを学び、中長期的に活動していけるだけの体制を整えるには時間がかかります。

そういう意味で東日本大震災では外部支援から地元への支援のバトンタッチは必ずしもうまくいったとは言えません。東日本大震災から見えてきた一つの課題であるといえると思います。

今回、JPFが計画している熊本支援方針は、復興初期の外部支援が入っているうちに、地域の組織と人材に力を蓄えていただくためのものです。 

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例としてJPFは、熊本の地域の人材に阪神淡路や中越、東日本など先に震災を経験した被災地を訪れてもらい、熊本にとっての教訓となる事例を見てきてもらう育成プロジェクトを立ち上げました。「海外での経験」と「東日本大震災での経験」を熊本に繋げたいという想いから立ち上がったプログラムです。

もちろん、視察に行くだけではありません。視察の前後に研修を受けていただき継続的な活動を支える基礎的な組織基盤強化を行い、複数の団体で協働研修を行うことで熊本県内のネットワークも強化したいと考えています。

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実は先日、今後のJPF熊本地震支援方針を策定するにあたり熊本現地調査をしてきました。復興の現状や熊本県内の支援団体の状況、中間支援組織の現状などを視察、ヒアリングしてきました。私は4月に続き、2度目の熊本入りでした。

思った以上に建物の撤去が進んでおらず、屋根にブルーシートがかかったままの痛々しい光景がまだまだ続いているというのが第一印象でした。

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建物があるので土地(地盤)の調査が行えず、住み慣れた土地に戻り住むことができるかどうかもわからないそうです。台風などの大雨が降るたびに土砂災害が起こるのではないかなど、多くの住民のみなさんが今と未来に不安を覚えているということでした。

被害にあわれたみなさまに改めてお見舞い申し上げます。

復興がなかなか進まない現状に心を痛めながらも、応急仮設住宅の集会所を視察していた際にうれしい出会いがありました。
偶然だったのですが6月のJPFのモニタリングの際、避難所の運営者として対応してくださった吉村さんが、仮設住宅団地でも住民コミュニティの中心となりつつあり、集会所を案内してくださいました。まったくのアポなしだったのですが、避難所の運営をしていたときの話をしてくださり、その苦労話や住民主体の運営に感銘を受け一瞬でファンになってしまいました。 

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「これからの復興は私たち(住民)が主役」とおっしゃる吉村さんは、熊本でこれから必要になる地域の姿を体現されていました。JPFがこれから行いたいと思っている熊本支援は第2、第3の吉村さんが生まれるきっかけと土壌づくりです。

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先日行われた熊本報告会には吉村さんにも登壇していただき、避難所の運営のお話などしていただいたところ、会場からも「感銘を受けた」、「今後の支援を改めて考えたい」などの感想がありました。 

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 吉村さんの話を詳しく知りたい方は「熊本/避難所/吉村」で検索してみてください。きっと直接お話聞いてみたいと思うようになってしまいます。

今後もJPFは、海外での経験、東日本での経験、そして熊本での経験をも次の災害への教訓とし、進化した緊急人道支援を行ってきます。成長するJPFを引き続き見守っていただけるとありがたいです。

国内事業部宮城地域担当 三浦


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10月13日開催 ジャパン・プラットフォーム企業向けセミナー2016 「今だから求められる福島支援とは ~避難指示解除/子ども/産業/企業連携~」

 福島支援については昨年から複数回、テーマやターゲットを絞って報告会を開催してきました。今回は企業様向けの企画です。
 避難指示解除が進む今、被災者の方々は【どこでどう生活するのか?】の決断を迫られています。「心から納得できる選択をできない」、「今決められない。決めるためにしっかり時間がほしい」、「決めた場所で生きていくには以前と変わりすぎている」など、その捉え方は様々です。

 当日は二部構成になっており、第一部では、模索しながら道を切り拓こうとしている方や重い問題に日々対峙している方が登壇され、問題と支援について具体的にお話ししていただきます。第二部では「話す側と聞く側」ではなく、会場全体で意見を出し合い「当事者と来場者が互いに啓発し合う」という形で進行します。「福島の複雑な事情を耳にするが、よくわからない」、「何に、どう関わればいいのかわからない」、「今までも支援してきたが、長い目で支援を考えたい」といった疑問や考えをお持ちの方がヒントを見つけられる機会となりますように。多くの皆さまのお越しをお待ちしております。

【開催概要】

開催日: 2016年10月13日(木) 14:00~16:35(13:30開場)
場所: 大手町ファーストスクエアカンファレンス
(〒100-0004 東京都千代田区大手町 1-5-1 ファーストスクエア イーストタワー2F)
参加費: 無料・要事前予約
申し込み方法JPFウェブサイトイベントページ
 または申込みページより、申込みフォームを送信
※申込み時に、企業として福島で行ってきた活動、今後行っていこうとしていること、その上での課題やお悩み等をご入力下さい。
当日、それらをふまえて進行いたします。
言語: 日本語
主催: ジャパン・プラットフォーム
後援: 1%(ワンパーセント)クラブ

プレスリリースのダウンロードはこちらから↓
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 ジャパン・プラットフォーム国内事業部 斎藤


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25種類以上の世界のビールが味わえる!?杜の都のビール祭り「第11回 仙台 オクトーバーフェスト」へ行きませんか?

 先週の「仙台 ジャズフェスティバル」はいかがだったでしょうか?

 定禅寺通にあるJPFの東北事務所では、ジャズを聴きながら、遅くまで残業ができるという「究極の贅沢」を満喫(?)することができました(笑)。

 さて、明日(2016年9月17日(土)~25日(日) 錦町公園 11:00~21:00)からは、「仙台 オクトーバーフェスト」です。
1990年代から始まったジャズフェスティバルほどの歴史はありませんが、全国各地で行われるオクトーバーフェストの中でも仙台は特別に盛り上がるご好評をいただいているそうです。

 オクトーバーフェストのお楽しみは何と言ってもビールとドイツ料理です。シュバーテン ミュンヘナーヘルという世界最古のラガービール、2008年国際ビール大賞金賞の黒ビール スタウト、遠野産ホップ100%でフルーティでクリーミーな味わいのヴァイツェンなど、運が良ければ25種類以上の世界のビールが味わえます。

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ミュンヘナーヘル

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スタウト

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ヴァイツェン

 もちろんドイツのソーセージもハムも豊富に揃っています。ザワークラフト(キャベツの酢漬け)を添えてお楽しみ下さい。

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ザワークラフト

 私が個人的に絶対に食べたいと思っているのが、ウィーンナ・シュニッツェル(ドイツのビーフ・カツレツ)とアイスバイン(豚のすね肉の煮込み料理)です。特にアイスバインは東京のドイツ料理レストランでも1週間前に予約しなければ食べられない手間のかかった料理で、コラーゲンたっぷりなのにさっぱりした味わいで、一番のおすすめ料理です。

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ウィーンナ・シュニッツェル

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アイスバイン

 民族衣装を着たドイツ楽団の演奏や、多彩な路上パフォーマンスもあるようですので、是非、ご家族づれでお越し下さい。

ジャパン・プラットフォーム国内事業部長 阿久津

写真:すべて【杜の都のビールまつり】仙台オクトーバーフェスト2016 公式サイトより

 


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仙台の秋は「ジャズフェスティバル」へお越しください

仙台の冬といったら「光のページェント」。
夏は「七夕まつり」。
そして秋は「ジャズフェスティバル」ですね。
明日(9/10)明後日(9/11)開催されます。

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http://www.j-streetjazz.com/ より

吹きはじめた秋風を感じながら、好きな場所で気取ることなく食べたいものを片手に音楽を楽しめる。なんてすばらしいイベントでしょう。
私は例年、土曜の日中、ショッピングの合間にプログラムは貰わず、行き当たりばったりと一期一会を楽しんでいます。

今年で26回!ということで、いつから仙台のジャズフェスを知っているんだろう…と思い、ホームページに歴代のポスターがあったのでたどってみました。
すると、私自身が知っているのは1995年の5回からということが判明。

 

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http://www.j-streetjazz.com/history/index.htmlより

当時はイベント名になっているようにジャズが主に聴けたのですが、いつからかいろいろな音楽のバンドが参加するようになりました。
楽しみ方もいろいろ、バンドもいろいろということでしょうか。

JPF東北事務所からも聴けるけど、明日は天気もよさそうなので、例年通り行き当たりばったり秋風を感じながら楽しみたいと思います。

 

ジャパン・プラットフォーム東北事務所 今野


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着任のご挨拶と避難解除後の葛尾村視察報告

着任のご挨拶

皆さま。はじめまして、こんにちは。

今年の7月よりジャパン・プラットフォーム(JPF)国内事業部プログラムコーディネーターとして、福島を中心に宮城・岩手も視野に入れた連携調整などを担当することになりました池座と申します。どうぞよろしくお願い申し上げます。

わたくしは東日本大震災発災の直後より、東日本大震災支援全国ネットワーク(JCN)のスタッフとして東北3県における組織間(地域組織、NPO/NGO、社協、企業、行政等)の広域コーディネートに従事してまいりました。発災から5年以上の月日が経過するも、東北の復興は道半ば。被災地域の復興にたずさわる組織間の連携調整や地元組織の基盤強化に注力してきた”後方支援/中間支援/コーディネート組織”という立場から、また組織として永遠に支援地域に存在し続けられないという立場から、JCNやJPFともども今後どの様に地域にコーディネート機能を残していけるかが課題となってきました。

この度、これまで被災現場で類似した活動を展開し、現場レベルでも密に連携をとってきたJCNとJPFという2つの組織の広域コーディネート業務を、わたくしが兼任することで、2者と地元中間支援組織である連携復興センターなどとより有機的に連携・協働をうみだし、被災地域の住民・団体と共に今後の住民の生活再建や地域づくり、復興活動に尽力していければと願っております。

着任のご挨拶はこの辺にしつつ、先日参加しました福島県葛尾村の視察ツアーの報告を併せて簡単にさせていただきたいと思います。

葛尾村視察報告

原発事故により全村避難が続いていた福島県葛尾村(かつらおむら)ですが、今年の6月12日に避難解除されたことを受け、去る7月30日(土)、村の現地視察ツアーが実施され、JCN福島担当の鈴木氏とふくしま連携復興センターの遠山氏なとと一緒に参加してきました。

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このツアーは、浪江町をはじめ北双地域の青年会議所や若手住民を中心に運営される「ふるさと未来創造会議」が主催し、震災以降バラバラになった双葉8町村の住民同士が繋がり寄り合う場として結成された「双葉郡未来会議」との共催という形で実施されました。

当日の朝、私はふくしま連復の遠山さんの車に乗せていただき、福島市から二本松市経由で集合場所である葛尾村役場・村民会館に向かいました。

会場には約50名の関係者が村内外から来られており、午前中は葛尾村役場の松本さんから村の現状や課題についてご説明いただきました。

福島県の山間地域に位置する葛尾村。震災前の人口は約1500人で福島で一番財政が小さい村だったそうです。家族の構成として、3世代同居あたりまえでしたが、震災によりバラバラになってしまい、一部避難解除された今年6月から今現在で、避難先から戻った村民が61人、38世帯(人口割合で4.5%、住民票を移し実際に村に住まわれている人は15人)とのことでした。今は解除されたばかりで帰還者も少ないが、今後もっと戻ってくるだろうというお話しもありました。

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昼食は葛尾村の「石井食堂」さんのお弁当。その味とチャーハンのボリュームで有名なお店だそうで、このお店は、現在三春の仮設店舗で営業中。来年一月には村内で営業再開の予定です。

午後はマイクロバスを使って村内を巡りました。
(図引用:http://futabafuture.com/2016/08/01/report_katsurao_tour/

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酪農家 佐久間さん

~村内での酪農再開を目指す~

まずは、村内で酪農の再開を目指す佐久間さんの牛舎にお伺いしました。

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山間に並ぶ大きな牛舎群。牛の姿は見えない。そのかわり、しばらく使われていなかっただろうと思われる重機が静かにたたずむ。今回、酪農家である佐久間さんへの訪問で、酪農を再開する決意に至った経緯や今の暮らし、事業再開に向けての想いなどについてお話しを伺いました。佐久間さんは、震災の前は ご夫婦とご両親、親戚と協力し合い、130頭ほどの牛を飼育し、牛舎は震災の4年半前に立て替えたばかりだったそうです。現在はご家族と避難先である郡山市に生活の拠点を置きつつ、村に通いながら酪農再開を目指しています。

稲作農家 松本さん

~村内での実証栽培、稲作再開を目指す~

 次に伺ったのは、村内でお米の実証栽培に挑戦する農家、松本さんをおたずねしました。

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松本さんはもともと稲作農家で、震災以降は、帰還困難区域近くの広谷地区で実証栽培を行っていました。原発事故後に役場からの「村内で試験栽培をやりたい人はいないか」との呼びかけに対し、松本さんが率先して手を挙げ、平成27年度から続けてこられたそうです。来年度からは米づくりにかかる費用の行政補助がなくなるため「ここからが農家としての本当の正念場だ」と松本さんは話してくれました。

葛尾村社会福祉協議会 川島さん

~帰還困難区域 野行地区の現状~

視察の最後は帰還困難区域である野行地区に特別な申請をとって入らせていただき、当地区の住民でもある葛尾村社協の川島さんに案内していただきました。

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野行地区は今なお帰還困難区域に指定されており、元々は33世帯130名が暮らしていました。川島さんのご自宅は、今は植物が周りを囲み、長い間自宅に入れていないとのことでした。 道中、線量の低い場所を選びバスを下車したのですが、道のあちらこちらにイノシシと思われる生活の跡が見受けられました。

葛尾村にどう関わっていけるか」グループワーク

視察後は役場に戻り、参加者が幾つかのグループに分かれて各自の感想と葛尾村に対してできることを共有し合いました。

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「誰でも気軽に泊まれるゲストハウス」「双葉郡全体での企業研修、合宿プログラム」など、人々が村に集いやすくなる様々な企画や関わり方が出され

ました。

今回、葛尾村の人々との出会いを通じて、人や地域が抱える困難・葛藤・希望を肌で感じることができました。

葛力創造舎の下枝さんをはじめ、双葉郡未来会議の皆さん、ふるさと未来創造会議の皆さん、葛尾村の皆さんにこの様な機会に参加させていただきましたこと、心より感謝申し上げます。

今年から再開された葛尾村盆踊り(8月14日)をはじめ、10月開催予定のふたばワールドなど葛尾村や双葉郡の取り組みは続きます。

ご興味のある方はぜひ関わりをもっていただければ幸いです。

■2016年10月2日 ふたばワールド2016 in かつらお

https://www.pref.fukushima.lg.jp/sec/11110a/katsurao.html

■双葉郡未来会議

futabafuture.com

■ふるさと未来創造会議

ふるさと未来創造会議について | 一般社団法人 浪江青年会議所

■一般社団法人 葛力創造舎 | Facebook

https://www.facebook.com/katsuryoku.sozo.sha/

 

ジャパン・プラットフォーム国内事業部プログラムコーディネーター 池座


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南相馬小高で行われた野馬懸けと6年ぶりに故郷で開催された火の祭りの様子

7月24日の夜、南相馬小高で6年ぶりに、野馬追いの勇者達を迎え入れる火の祭りが行われました。これは野馬追いのために出かけた小高の騎馬武者達が、小高に帰り着く頃には暗くなっているので、たいまつを道沿いに灯して迎え入れたことが始まりです。

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遠くに見える火がたいまつです。

クライマックスには花火が盛大に上がりました。


南相馬小高で6年ぶりに、野馬追いの勇者達を迎え入れる火の祭り【ジャパン・プラットフォーム国内事業部ブログ】

そして、7月25日の朝から小高神社で野馬懸けの祭りが行われました。これは絵馬の元になったお祭りで、野生馬を捕まえてそれに願いを込めて神様に奉納するというものです。

神事なので野生馬を捕まえる若者はみな白装束で、身を清められ周りにも塩が巻かれます。 

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いざ始まると、まず騎馬武者達が神社の外から野生馬を神社の境内に追い込みます。映像の中の白い馬が野生馬です。


南相馬小高で6年ぶり行われた野馬追【ジャパン・プラットフォーム国内事業部ブログ】

するとその裸馬を若者が数人係で捕まえに行くのですが、結構命がけで何度も振り落とされたりします。


南相馬小高で6年ぶり行われた野馬懸【ジャパン・プラットフォーム国内事業部ブログ】


南相馬小高で6年ぶり行われた野馬懸②【ジャパン・プラットフォーム国内事業部ブログ】

7月12日の避難指示解除後に行われた初めての小高の野馬懸けには非常にたくさんの人が集まり、こんなに大勢の参加者はこれまでみたことなかったとのことでした。 

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ちなみに極秘情報ですが、本当に美しく迫力があるのは、その日の早朝に海岸沿いで行われる野馬懸けの練習風景だそうです。朝日に照らされながら海岸を走る馬を写真に収めようと事情を知る写真家が全国各地から集まるそうです。

ジャパン・プラットフォーム福島担当山中


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5年ぶりに再開したJR常磐線「原ノ町駅~小高」に乗って福島県南相馬小高地区を散策

7月12日火曜日、1万人超を対象に、小高地区を中心とした南相馬の避難指示地域の大部分が解除されました。そして小高に電車が再び開通しました。JR常磐線のうち、避難指示地域の指定が解除された区域が含まれる原ノ町駅~小高駅間の9・4キロで、5年4か月ぶりに運行が再開しました。あえて原ノ町から電車で小高に行ってみました。

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途中窓から外を見ると、海と山と田園が広がり、息を呑むほど美しい風景が広がります。

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小高駅に着くと「野馬懸け」の祭りの旗が迎えてくれました。

「野馬懸け」とは、いわゆる「野馬追い」と共に行われる、小高特有の祭りで、野生の馬を人が追いたてながら岡の上にある神社まで押し上げて奉納し、願を懸けるお祭りで、これが絵馬として全国に広がったと言われています。

元々、本物の野生馬を神社に奉納して願を懸けていたのが、絵の馬に願い事を書いて神社に奉納する風習として全国に広がったのです。今年の野馬追いは、7月23日から25日にかけて行われますが、23日の出陣式、本陣集結、宵乗り競馬、24日の行列、甲冑競馬、神旗争奪戦を経て、25日の最終日に野馬懸けは執り行われます。

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歩いて小高神社に向かう道の途中も、山から川が流れ海に注ぎ込む風景が実に美しいです。

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小高神社はもともと、小高城、別名「紅梅山浮船城」と言われるお城でした。洪水などの時には、周りが水で囲まれ浮いた船のようになるので、浮船城と呼ばれたそうです。南北朝の頃、北畠顕家率いる南朝の軍勢に対抗するため、建設されました。小高には、この浮船という言葉を使った建物が他にもいくつかあります。

原発事故から5年が過ぎ、南相馬小高地区を中心とした避難指示解除に際して多くの課題が山積し、様々な問題が浮き彫りになっています。しかし、この小高の山河の美しい風景、馬に願いを乗せて神に届ける風習、紅い梅の山や水に浮かぶ船はいつまでも在り続けることでしょう。

ジャパン・プラットフォーム 国内事業部 山中

 


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