ジャパン・プラットフォーム(JPF) 公式ブログ

緊急人道支援組織、認定NPO法人ジャパン・プラットフォーム(JPF)のブログ。NGO・経済界(経団連、企業など)・政府(外務省など)が連携し、国内外の緊急人道支援を実施。寄付金・募金受付中。

JPF加盟NGOが販売するチョコレート

 今月14日はバレンタイン・デーでしたね。

 その間は、あちらこちらで美味しそうなチョコレートが販売されていて、最近は色・形もきれいなチョコレートが多くて、街を歩いていると目を奪われるものばかりでした。

 こうしたブランドのチョコレートも美味しいですが、私はJPF加盟NGOであるAAR Japan[難民を助ける会]が販売しているチョコレートがとても好きです。

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写真:チャリティチョコレート・ミルク AAR Japan[難民を助ける会]ウェブサイトhttp://www.aarjapan.gr.jp/support/shopping/chocolate/ より)

 北海道の有名なお菓子メーカー、六花亭製菓株式会社の協力で製造されているとのことで、甘さも口どけもとてもなめらか。疲れている時などに食べると、ついつい何枚も口に入れてしまいます。オンラインショップもありますし、団体事務所でも直接購入できるようです。おすすめのチョコレートですので、機会がありましたら是非食べてみてください。

 また、JPF加盟NGOのオックスファム・ジャパンが販売するフェアトレードのチョコレートもお気に入りです。ミルク、ダーク、ヘーゼルナッツクリームの入ったプラリネの3種類があります。どれも美味しいのですが、それぞれ風味が異なるので、その時の気分によって違うのをいつも選んでいます。

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写真:チョコレート(ミルク)(オックスファム・ジャパンウェブサイトhttps://shop.oxfam.jp/products/list.php?category_id=9 より)

 こちらも、オックスファム・ジャパンのオンラインショップ、もしくはオックスファム・ショップ(https://shop.oxfam.jp/user_data/shop.php)で購入できます。

 JPF加盟NGOの中には、チャリティグッズやフェアトレード商品の販売事業を行っている団体もいます。
 わかちあいプロジェクト(http://www.wakachiai.com/)やピースウィンズ・ジャパン(http://peace-winds.org/)などのオンラインショップでは、クッキー、コーヒー、紅茶がかわいくラッピングされて販売されています。
 ホワイトデーのお返しや、プレゼントで、“買い物で国際協力”をしてみてはいかがでしょうか。

普段の生活のなかで東北を身近に感じられるおススメの催し&場所をご紹介

こんにちは。東京事務所の川村です。

まだまだ寒い日もありますが、私の住んでいる神奈川では梅や河津桜が咲き始め、春の足音が少しずつ聞こえてきました。

東日本大震災の発災からもうすぐ6年目の節目を迎えます。
震災後、約5年を過ごした宮城を離れて実感しているのは、東京では震災関連のニュースや話題が少ないということです。震災関連のテレビ番組も年々視聴率が低下していると聞きます。記憶の風化、忘れられていくことの怖さとはこういうものかと改めて感じています。

6年目の3.11をひかえたこの時期、普段の生活のなかで東北を身近に感じられる私のおススメの催しや場所をいくつかご紹介したいと思います。

■ アート・写真に興味のある方にオススメ

写真展 「新井卓 Bright was the Morning – ある明るい朝に」@横浜

木村伊兵衛写真賞などを受賞している写真家新井卓さんの写真展です。荒井さんが撮っているのは「これが写真?」と驚くダゲレオタイプ(銀板写真)という写真。紙でもない、デジタルデータでもない、銀板に写る複製できないたった1枚の写真です。なかなか説明が難しいので、ぜひ実物を見ていただきたいです。写真展では、荒井さんが震災後に東北に拠点を構えて撮影した写真も展示されています。そのなかでも私が特に印象深かったのは、福島の若い世代のポートレイト。高校生らと対話しながら撮影されたポートレイトは、彼・彼女らがその時に語った言葉(音声)とともに紹介されています。期間中は荒井さんのトークも行われるようです。

▼詳細はこちら
http://artazamino.jp/event/azamino-photo-20170226/


■ 食べるの好き、お酒も大好きという方におススメ

宮城漁師酒場 魚谷屋 @中野

宮城県石巻市を中心とした三陸の若手漁師が、地域や業種(何のお魚を捕っているか/何を養殖しているか)を超えて集まり、三陸の漁業と海産物の魅力を発信している(一社)フィッシャーマン・ジャパンが経営する居酒屋「宮城漁師酒場 魚谷屋」。旬の海産物が生産者から直送され、なかなか東京では食べられない新鮮なお魚料理が楽しめます。毎月第3水曜日の「みやぎ水産の日」には、宮城の旬の海産物と宮城の日本酒を楽しむ会が開催されています。2月は15日(水)に開催予定で、この時期に脂の乗っているメカジキを使ったお料理が登場するそうです。

▼詳細はこちら
http://uotaniya.fishermanjapan.com/
▼イベントの案内はfacebookページへ
https://www.facebook.com/events/644829085703885/


■ 福島を取り巻く状況を知りたい方におススメ

報告会 「震災から6年 知ってほしい、あなたのそばにいる避難者のこと」@目黒

JPF加盟団体でもある認定NPO法人難民を助ける会(略称AAR)が3月12日(日)に開催する報告会です。難民を助ける会の名前は被災地でも地域の方からたびたび耳にします。特に被災した授産施設や福祉作業所の方々は、難民を助ける会から施設修繕や機材購入の支援を受け施設を再開できたとお話しされます。そのように忘れられがちなニーズを適時に捉え、地域に寄り添った支援を続けてきた団体による今回の報告会のテーマは、原発事故の影響を受けた地域から離れて避難生活を続ける人たちのこと。福島県から避難して東京で避難生活を続ける女性や避難者の支援に携わる方が、避難生活の現状や将来についてお話しされるようです。

▼詳細はこちら
http://www.aarjapan.gr.jp/join/event/2017/0312_2222.html
津波や原発事故によって、家や仕事、大切な人を失い生活環境が激変した被災地は、いまだたくさんの課題を抱えています。6年目の節目が近づくこの時期、東北に触れる機会をつくっていただき、引き続き東北の復興に関心をお寄せいただけると嬉しいです。

国内事業部 川村

福島でさまざまなワークショップ開催

 現在、「共に生きるファンド」では、福島の避難指示解除に伴い、助成先団体によるワークショップなどが多く実施されています。一つは、「元気になろう福島」が実施している<大熊町住民ダイアログ企画>で、避難中の大熊町民がカフェ形式で集まり、大熊のまち全体のジオラマを見ながら語り合う<大熊町未来会議>、もう一つは「葛力創造舎」による<情報誌づくりを通した原発災害地域への帰還住民による地域づくり活動創出事業>、他に「まちづくりNPO新町なみえ」による<浪江まちづくり未来創造ワークショッププロジェクト>。そして「富岡3・11を語る会」による<帰還する町「富岡」への思いを町民が語り、聞き、考える事業>。
 「まちづくりNPO新町なみえ」の事業ではファシリテーショングラフィックという手法を取り入れ、参加者が分かりやすく整理して見える化しながら行われました。非常に盛況で、参加者からは「もやもやしたものが晴れた」、「他の町民の思いも知れたのでほっとした」「1人でないことがわかり安心した」などの声がきかれました。
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 「富岡3・11を語る会」のワークショップでは、ふたば未来学園と福島県立相馬農業高等学校 飯舘校サテライトの演劇部の生徒が避難指示解除に関する創作劇を演じましたが、非常に感動的で奥深い演劇で、涙と共に深い内省を禁じえない心境にさせてくれました。そして尚且つ清清しい、爽やかな気持ちにもさせてくれました。大入りで1階席は埋まり、2階席を使用するほどでしたが、機会があれば、もっとたくさんの人に見てもらいたいと思いました。
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 福島県立相馬農業高等学校 飯舘校サテライトの演劇部は東北大会を勝ち抜き、今度仙台で行われる全国大会に出場するそうです。またふたば未来学園の演劇部は2月4日と5日に東京での公演が決まったそうです。機会があれば一度足を運んでみませんか?

福島担当
 

※共に生きるファンド

東日本大震災による被災者の支援活動に共に取り組む団体(非営利法人)へ助成するJPFのファンド。

着任のご挨拶 ~東京事務所の田中です~

 こんにちは。1月から国内事業部に所属しております田中雅之です。
 私は、横河電機(株)に入社して以来二十数年間、エンジニアリングやソフトウェア製作などに従事していたのですが、一昨年ふとしたきっかけからキャリアを会計業務の方向に転換することとし、会社もその方向性に同意してくれました。
 その方向転換のために一昨年、日商簿記3級を6月に、2級を11月に受験し両方とも無事合格することができました。その後はその延長線上のこととして、税理士試験に挑戦しています(まずは必修の簿記論と財務諸表論から)。
 実務としては、同好会の会計報告書の作成と、その会計報告書の作成手順書の作成という業務を経験させてもらいました。

 以上のような挑戦や経験を経て、めでたく本年の1月から出向という形で、こちらジャパンプラットフォームにお世話になることになり、加盟団体等の助成事業計画および予算設計書へのアドバイスを含めた会計業務などに従事させていただくこととなりました。
 人道支援組織のNGOの業界については、その一端をニュースなどで見聞きすることはあっても、その実情を知ることも、そこで働くことも初めてのことになります。
日本で言えば誰もが知っている東日本大震災その他の災害による被災者の方々の支援、海外で言えば世界的に問題となっているシリアの紛争などによる難民の支援など、人道支援組織で働くことにはやりがいを感じます。
 日本での人道支援を含め国際人道支援は、最終的には世界の平和につながっていく事業だと思いますので、ここジャパンプラットフォームの皆様などからのご指導も受けつつ、微力ながら少しでも早くそのお役に立てるよう、頑張っていきたいと思っています。
 よろしくお願いいたします!
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右端が田中です

 

 

「減災サステナブル」という考え方

こんにちは。ジャパン・プラットフォーム(JPF)国内事業部長の阿久津です。
東日本大震災以降、私は年末年始に東日本被災地を自分のクルマでまわり、復興の様子を自分の目で確かめることが、自分の中で恒例となっています。これまでに太平洋沿岸の被災地は、北は青森県の八戸市から、主要三県の岩手・宮城・福島はもちろん、南は千葉県の旭市まで、ほとんどすべてを6年間かけて訪れてきました。
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今回はすべての市町村の中で最も死者行方不明者数が多かった石巻市(2016年3月11日時点で3,975名)を中心に現在の防潮堤建設の様子を見てきました。
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いつもは一人で行くのですが、今回は頼もしい友人が同行してくれました。千葉大学大学院工学研究科で人工システム科学を研究している浅沼博教授です。

浅沼博先生のチームによる「減災サステナブル」の研究はとてもユニークで壮大です。たとえば、防潮堤と言えばコンクリートで固められた波風を受けても微動だにしない頑強なイメージを持つ方々が多いと思います。しかし、彼らの発想は全く逆です。フニャフニャして粘り気がある材質で強度を増したり、海に浮かべ津波が来たらその高さに応じて大きくなる防潮堤まで自由自在です。しかも、スマート&ローコストで自然にやさしいのが特徴です。災害時には何mにも立ち上がり、平常時には海面に浮かび波の力で発電するシステムも研究されています。地震や津波のような自然災害による被害を「完全にゼロにする」ことはできないけれども、「限りなくゼロに近づける」減災は科学の力でいくらでもできる、そのような持続的発展性を高めていくという考え方です。

浅沼氏と訪れた石巻市から東松島市に至る防潮堤は、高さを感じさせない工夫が随所に見られ、意外に圧迫感はありませんでした。
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その分、場所によっては、第一、第二、第三と防潮堤を何重にも張り巡らせているために、維持費を含めかなりのコストがかかるようにも見えました。
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また、重要施設の多くは東松島市の常磐線野蒜(のびる)駅のようにすでに高台移転されているので、少なくとも以前に比べれば住民の安全は一定レベルまで確保されつつあると感じました。
f:id:japanplatform:20170106102135p:plain野蒜(のびる)駅

f:id:japanplatform:20161228132300j:plain野蒜駅

一方で、建設中の防潮堤はすべてコンクリートで固められている訳ではなく、内側は土なので強度には限界があります。
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また、津波の到達高度(遡上高)が30mを越えるようなスマトラ島沖地震(2004年)や東北地方太平洋沖地震(2011年)を想定すれば、十分な高さと言えないのは明らかでした。
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世界各国はこれまで軍事防衛という枠組みの中で、航空宇宙など最先端の研究にしのぎを削ってきました。日本もそれで良いのか。その方向性の中で最先端の科学技術を競い合って勝ち目はあるのか。知的な発想の転換を行うのであれば、最先端技術の研究等を軍事防衛に代わって防災減災分野で行えないかという新たな発想です。地震・津波・火山噴火などの災害をバネに人材・科学技術を磨くという考え方です。浅沼氏は「日本は単なる科学技術立国ではなく、安全・安心を世界に届ける永世中立技術立国となるべき」と訴えています。一方、「減災サステナブル」という考え方を進展させていくと、科学技術というハード面と対(つい)をなす形で、防災減災を実現していくための人的ソフト面の分野が存在しているように私は思いました。私は浅沼氏にその中核に本来はNGO/NPOがあるはずだということを伝えました。2017年はその意味でもNGO/NPOの飛躍の年にしていきたいと考えています。本年もご指導の程よろしくお願い致します。

今後の熊本地震支援について

ブログを読んでくださっている皆さま、こんにちは。
国内事業部の谷内田です。

熊本地震は、2016年4月16日の本震発災から8か月が経ちました。
被災地では、仮設住宅への被災者の方の入居もほぼ終了し、集会所の開所式や自治会の形成が進められています。

ジャパン・プラットフォーム(JPF)では、発災以降スタッフの現地調査、加盟団体への助成を通じて被災地支援を実施してきました。加盟団体への助成事業を10月15日に終了しましたが、この期間、16の加盟団体が助成を受け、24事業へ助成を行いました。発災直後は緊急シェルターの支援や、生活必需品の配布、炊き出し、医療の支援が主でしたが、徐々に避難所運営、子どもや障がい者等の災害弱者を対象にする支援、がれき撤去の支援に移行し、7月以降仮設住宅入居が開始する頃には、生活再建のための物資支援や仮設の見守り支援が行われました。

復興フェーズ・支援ニーズの変化に対応し、また季節的な事情も考慮にいれながら事業を実施してきました。 

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▲益城町公民館福田分館避難所で女性用、男性用シャワーをモニタリングする様子(7月4日)
(C)JPF

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▲熊本市内で被災した母親と子どもを対象にカウンセリングによる心のケアなどを実施(7月4日) 
C)JPF

緊急期は終了しましたが、今後、JPFは地域で支援事業を担う人材の育成や能力強化を目的とした事業を実施していくことを決定しています。これまでは、外部支援が多く入っていましたが、今後の復興においては、地域住民の方が主体的に動くことが必要です。

今回新たに開始するJPF事業は、熊本被災地で支援活動を開始する皆さまに、復興支援活動についての研修を受けてもらい、さらに過去の震災経験地域を訪問し復興の取組みを共有し、その経験を熊本被災地域の復興に役立ててもらうというものです。
復興が進むにつれて、現地の方たちは様々な壁にぶつかることと思います。過去の実体験を共有し、熊本被災地の再生に役立てていただければと思います。

また、この他にも、JPFでは中間支援団体の支援事業も検討中です。
ホームページ等で積極的に情報発信をしてまいりますので、
来年も引き続きJPFにご注目下さい。

着任のご挨拶 ~東京事務所より~

ブログを読んでくださっている皆さま、こんにちは。

11月よりジャパン・プラットフォーム(JPF)の国内事業部の一員に加わり、東京事務所に勤務することになりました川村文です。主に、東日本大震災支援の「共に生きる」ファンドを担当させていただきます。どうぞよろしくお願いします。

「はじめまして」の方もいらっしゃれば、「またお世話になります」の方もいらっしゃいますね。
私は、2011年7月から2016年9月末まで、仙台市に拠点を置く(公財)地域創造基金さなぶりで助成事業の担当をしておりました。岩手、宮城、福島の3県を中心に、NPOの方はもちろん、仮設住宅団地の自治会の方々や災害公営住宅で新たなコミュニティをつくられた方々など多くの方に、大変お世話になりました。東北はもう雪も降ったでしょうか。皆さん、お元気でらっしゃいますか?

こちらで働くようになり、ちょっとうれしく思っていることがあります。
前職のときに、立ち上げを支援させていただいたとある組織があるのですが、当時その組織に新たに加わるスタッフの実地研修にも助成していました。「この団体はこの地域になくてはならない存在となる。」案件形成にかかわったときの印象でした。
その組織がいまJPFの「共に生きる」ファンドの支援先でもあるのですが、当時研修を受けたスタッフがその後もその組織に残り、助成事業の担当者に成長していました。また、その組織はしっかり地域の中核となって、支援団体の連携調整や自治会など地域コミュニティへの伴走支援をしているのです。先日、JPF助成事業の報告書を見て、こっそりにやにやしていました。

 資金助成は、団体の皆さんと一緒に地域の将来を考え、その仮説に対して資金的に応援するということだと思っています。いまある課題を解決して、どんな地域にしたいか。どんな未来にしたいか。東北の皆さんが考える未来を創るプロセスを少しでも応援できたら、と思っています。

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家族の事情で関東に転居することとなりましたが、こうやってまた東北の皆さんと一緒に東北のことを考える機会に恵まれ、とてもうれしく思っています。東京事務所での勤務になりますので、お電話やメールでのコミュニケーションになりますが、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

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