ジャパン・プラットフォーム(JPF) 公式ブログ

緊急人道支援組織、認定NPO法人ジャパン・プラットフォーム(JPF)のブログ。NGO・経済界(経団連、企業など)・政府(外務省など)が連携し、国内外の緊急人道支援を実施。寄付金・募金受付中。

3.12に被災した長野県栄村の「震災復興祈念館」を訪ねて

 JPFの被災地支援活動に関わらせて頂き早くも10か月が経過しようとしております地域事業部の池座です。平日は主に福島県にいるか、東北の被災地域のどこかで微力ながらの緊急人道支援の活動をさせていただいております。

さて、私事ですが最近、新潟県十日町市にて第2子(女の子)がうまれました。そんな中、先週末には第一子とともに、家族の住む自宅から車で20分ほどに位置する「長野県栄村」にとお散歩に出かけました。(出来る限り日中に動いてぜひ疲れて欲しいので車にストライダー(ペダル無し二輪車)を積んでいきます)

まず、栄村についてご紹介します。
新潟県十日町市・津南町エリアと長野県野沢温泉村・飯山市エリアに挟まれた県境の山間部に位置する長野県栄村は、人口約2,000人の日本有数の豪雪地域で、秋山郷を抱える「にほんのさと100選」にも選ばれている美しい村です。日本最高積雪地点(私もご近所ながら初めて知りました)となるJR森宮野原駅を最寄り駅としています。

▼日本最高積雪地点 JR「森宮野原」駅 f:id:japanplatform:20170516163354j:plain

ご存じの方もいらっしゃるとは思いますが、この地域は、3.11の翌日「2011年3月12日3時59分頃」にマグニチュード6.7の直下型地震(長野県北部地震/栄村大震災)の被害を受け、直接的な死者は出なかったものの村民の約8割が避難をし(秋山地区を除く村内全域に避難指示)、住居や農地、ライフライン等に大打撃を受け、3.11の陰に隠れた「忘れられた被災地」と報じられることもあります。

▼当初、震災関連の情報発信基地があった駅舎f:id:japanplatform:20170516171239j:plain 

▼駅舎内に残された応援メッセージf:id:japanplatform:20170516163123j:plain 

わたしは2011年に個人的に栄村を訪問したことがありました。その時は村の中心部にあるJR森宮野原駅の駅舎の中にボランティア拠点が設置されており、地元の支援関係者の方から「東北地域に比べたら、命に関わるような被害もなく規模が全く違うので、住民やボランティアで何とかなりそうです」ということをお聴きし、気になっていたもののその後は足を運べておりませんでした。
※被災当初の写真は、栄村役場ウェブサイトをご参照ください。

6年ぶりの訪問となった今回、中心地を訪問をしてみると、駅舎はそのまま存在するものの、駅の敷地にもう一つ新しい立派な建物があるのに気がつきました。

この建物は「震災復興祈念館」 と命名され、1Fが被災状況などを伝える展示物や応援メッセージ、村民7人の証言を収めた映像、ジオパークとして地域紹介コーナー、観光協会の事務所、子育て支援ルームに、2Fが地域の森林組合の事務所として多機能型で運営されていました(神戸にある「人と防災未来センター」を小規模にした感じでしょうか)。ガイドしてくれた、他県から移住してきたという若い観光協会の職員さん曰く、祈念館は昨年2016年4月に完成した村で一番新しい施設だそうです。

▼栄村震災復興祈念館
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▼被災状況などの情報展示f:id:japanplatform:20170516170252j:plain

個人的に気になっていた村民の現状については、以下のようなお話をうかがうことができました。
・「全国からの心ある支援で目に見える被害についての復興はほぼ達成されたと考えている」
・「半壊や一部半壊などのお宅の一部は、修理しないまま暮らしている」
・「高齢化が進み、豪雪地帯であるため、被災したことをきっかけに村を出ていく人も少なくない」
・「逆に、自分の様に、人々の温かさが今なお残り、この自然豊かな栄村の魅力にひかれ、移住してくる人もいる」
・「東北の被災地に比べたら被害も比べものにならないくらい少なかったので、忘れられても仕方がない部分もあるが、この地、自分たちのことを忘れず、とても良いところなのでこれからも是非訪れて欲しい」

▼応援メッセージ
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最近では支援者を含めた他地域からの来訪者も多く、村の人たちも活用する拠点になりつつあるそうです。こうして様々な機能を織り交ぜながら効率的な運営をする栄村震災復興祈念館ですが、記憶を後世に紡ぐという意味においても、地域内外の人たちが気軽に立ち寄り対話できる拠点という意味においても、貴重な施設だと感じました。

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震災時や避難時に心身に負った傷、地震保険に加入していなかった世帯の甚大な経済負担、転居せざるを得なかったり世帯を分けざるを得なかったりした人たちなど、東北同様、地域や家族、本人にしか分からないことも沢山あるだろうと想像しつつ、辛抱強く、目の前にある生活を大切に生きる村の人たちの姿勢から力を頂いた一日となりました。

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栄村やその周辺地域は、登山・キャンプ・温泉・芸術祭・雪まつり・スキー・乗り鉄・撮り鉄など、四季折々の見どころがありますので、是非、観光を交え復興祈念館にも足を運んでみてください!

▼参考ウェブサイト

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栄村秋山郷観光協会
http://sakae-akiyamago.com/
津南町観光協会
http://www.tsunan.info/page_top/top.php
十日町市観光協会
http://www.tokamachishikankou.jp/
野沢温泉 観光協会
http://nozawakanko.jp/
信州いいやま観光局
http://www.iiyama-ouendan.net/
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地域事業部(2017年4月1日より、国内事業部から名称を変更しました) 
池座
tsuyoshi.ikeza@japanplatform.org

見えないものを知り、ひとつひとつ確かめていく活動をモニタリングしました

ジャパン・プラットフォーム(JPF)の東日本大震災被災者支援「共に生きる」ファンドでは、今年の1月から、いわき市の「NPO法人いわき放射能市民測定室 たらちね」(以下、たらちね)に助成しています。JPFによる助成のねらいは、放射性物質の数値を正しく知ることで目に見えない放射能というものを知っていただき、過度な不安を取り除き、地域コミュニティ全体で放射能との向き合い方を模索することにあると考えています。

今回は普段馴染みのない【放射性物質の測定】や、希望者が多い地域に医師と共に出向く【出張甲状腺検診】の活動をモニタリングさせていただきましたので、ご紹介します。

【4月28日(金)】
【放射性物質の測定】ガンマ線(セシウム134、137)の測定

放射線には、アルファ線、ベータ線、ガンマ線 の3種類があります。原発事故後、私たちが報道などで知る放射性物質の値は、ガンマ線の測定結果がほとんどです。今回はまず、ガンマ線の測定活動をモニタリングしながら、実際の測定も特別に体験させていただきました。

今回の測定で検体となったのは、いわき市南部の小名浜でとれた布海苔(ふのり)と和布蕪(めかぶ) 。
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まずは布海苔。布海苔はハサミで簡単に切って容器に隙間なく詰め、測定器にセットします。検体の量はできるだけ多く(1リットルまで)、測定時間を長くかけると、より正確な数値が得られるそうですが、今回は5時間の測定時間としました。たらちねは、結果を月毎にまとめてホームページに掲載しています。

続いて和布蕪。和布蕪を測定するためには、容器に隙間なく和布蕪を詰める必要があります。和布蕪は大きく立派なため、ひたすらみじん切りをする作業は包丁裁きに慣れない私は海藻ならではのぬめりにも苦戦し、時間がかかりました。

工夫しているな、と感心させられたのは、ガンマ線測定器の設置方法です。研究室などでは、より正確な数値を導き出すため、測定器の周りを鉛で囲むことで周囲の放射線を遮っていますが、お金がかかることと、かなり重量のある設備になるという理由から、市民の測定室では測定器をそのまま部屋の中に置いているところが多いそうです。しかし、たらちねでは鉛の代わりにペットボトルの水の入った箱を周りに積み上げ、また、床と測定器の間には水の入ったままのペットボトルを敷き詰め、放射線の影響を遮る工夫をしています。これにより、鉛の遮蔽と変わらない環境を安価で実現しています。ここでは女性ならではの知恵が随所にちりばめられていると感じました。
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【放射性物質の測定】ベータ線(トリチウム、ストロンチウム90)の測定

ガンマ線測定室の向かいのラボ(研究室)へ移動。
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こちらも検体は食品が多いですが、他に土壌や、地元の漁師さん達の協力を得て採取した福島第一原発沖の海水も測ります。検体の性質により、薬品や様々な機材を使って濃縮・乾燥・完全に灰化してから測定します。結果を得るまで約一週間から10日かかるそうです。この測定では検体を50~100gを用意し、電気炉で乾燥させるまでの説明を受けました。私は指導のもと、豆と米、土壌の測定のため、それぞれをミキサーでパウダー状になるまで砕く作業を体験しました。
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ベータ線測定は、時間も技術も必要で、且つ、測定器も数千万円と高額なため、市民による測定はハードルが高い領域だそうです。たらちねのスタッフも、もともと放射能の専門家ではありませんでした。震災前は放射能とはまるで関係なく過ごされてきた方々が経験を積み、専門家の指導を受けながら有機溶剤作業主任者・第三種放射線取扱主任者の資格を取り、熱意と清々しい使命感をもって仕事をされていました。

測定作業をする間、事務所内にはたくさんの電話がかかってきたり、測定や取材のために訪れる方がひっきりなしに訪れていましたが、その対応は見事で、チームワークにも感嘆しました。


【4月29日(土)】
【甲状腺出張検診】

福島駅近くの施設で午後から行う医師による出張甲状腺検診のため、私はスタッフの方々と共に朝、出張検診の際に活躍する「たらちね号」に検診セット(測定器、ベッド、カルテなど)を積み込んで事務所を出発。f:id:japanplatform:20170429085659j:plain


ゴールデンウィークで渋滞を心配しましたが車は順調に走行。お天気にも恵まれ、途中の新緑の山々や、小野町(福島県田村郡)の夏井川両岸に5kmにわたって植えられている美しい夏井千本桜も見ることができました。f:id:japanplatform:20170429170900j:plain


今回の医師は、桜はまだこれからという札幌から、北海道がんセンターの小野寺先生。今回は40人の方々に検診を受けていただきました。小野寺先生の優しくわかりやすい語りかけにより、不安をもって来られた方が物怖じせずに質問できるなど、納得できる検診となったのではないでしょうか。f:id:japanplatform:20170429122525j:plain


当日までのしっかりとした準備の他に、重くて大きな荷物を運んだり、車で長距離移動したりするのは重労働ですが、「自分達がなぜ、何のためにやっているのか」が頭と体に染み込んでいる皆さんなので、不測の事態でも自然なフォローをし合っていらっしゃいました。こういう「有り様」がたらちねの特長なのだなと思いました。

なお、出張検診はどなたでも受けることができます。
次回は5月20日、宮城県角田市の角田市市民センターで行う予定だそうです。

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さて、たらちねは、新しい活動として診療所である【たらちねクリニック】を開設します(5月2日から、健康相談会受付開始)。ここに至るまで、たくさんの関係者が知恵を出しあい準備を進めてきました。内覧会は5月21日に予定されていますので、またこのブログで紹介いたします。

たらちねのホームページでも、様々な情報が更新されていますので、是非ご覧ください。

地域事業部(2017年4月1日より、国内事業部から名称を変更しました) 斎藤

東北事務所の窓から

こんにちは。今日は東北事務所から季節を実感できる風景についてのお話です。

今年の東北事務所の窓風景で雪が舞うことは何度かありましたが、ケヤキ並木がきれいに雪化粧したのは、1度だけでした。例年より寒さ厳しい日が少なく、光熱費にも若干ではありますがその恩恵をうけることができました。f:id:japanplatform:20170417174018j:plain

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このまま春へまっしぐらかと思いきや、3月は例年通りの寒さで、未だ道路向かいのビルをはっきりみることができます。f:id:japanplatform:20170417174109j:plain

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でも、やっと芽吹き始め、週末の暖かさで緑の葉が。。f:id:japanplatform:20170417174157j:plain

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河北新報によると、昨年の4月26日には、こんなにやさしい緑が広がっていたんですね。
http://photo.kahoku.co.jp/graph/2016/04/27/01_20160427_15027/001.html

今朝はこんな感じでした。f:id:japanplatform:20170418085617j:plain
昨日の雨で一気に若葉が。
この時期は窓からの風景が一日で変わります。

あともう少しで、いろいろな緑を楽しめる新緑の季節がやってきます。
新緑の傘からもれる光をあびながらランチをしたいと思います。

東北事務所

震災関連記事より

みなさま、年度末真っ盛り猫の手も借りたい忙しさかと思います。
無事年度を越えられそうな見込みは立ちましたでしょうか?
私は心穏やかに年度を越えられそうにありません・・・
心を亡くすと書いて忙しい、先人は良く考えてるなと改めて思います。

少し前の話になりますが、3月11日震災から6年目を迎えました。
みなさまどう過ごされたでしょうか?
私がおります宮城県では、沿岸市町村ごとに合同慰霊祭が行われ、14時46分には一斉にサイレンが鳴り響きます。震災で亡くなった方にとっては七回忌ということもあり復興関連のイベントも比較的少なく、亡くなった方に想いを寄せるなど慰霊のために穏やかに過ごされる方が多いようです。

宮城県に常駐していると実感しにくいのですが、この時期「震災の風化」という言葉をよく聞きます。東北でも地域の新聞に載っている震災関連の報道はだいぶ少なくなってきましたが、3月11日近くなると震災関連の記事が多くなります。JPF東北事務所では毎年この時期に河北新報の震災関連報道を切り抜き、壁新聞を作っています。

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 今年貼り出している記事を抜粋してみます。

「仮設住宅入居いまだ3万3748世帯」
岩手、宮城両県は住宅再建で仮設からの退去が進んでいるが、福島県は原発事故の影響で先行きを見通せずにいる。


「沿岸被災者42%家計悪化」
震災前と現在の暮らし向きの比較では、岩手、宮城、福島の被災3県の沿岸部に住む被災者の42.4%が厳しくなったと答えた。

「土地区画整理 現状と溝」
土地区画整理事業工事の長期化で人口が流出し、計画と現状のずれが拡大し広大な空き地が生じかねない状況。

「震災関連倒産累計391件」
震災を起因とした東北の企業倒産が6年間の累計で391件になった。震災1年目の3割弱に減少したが、依然として倒産は発生しており影響は根深い。

「廃炉作業遠い道のり」
福島第一原発の溶融燃料の実態は、事故6年目を迎えても明確になっていない。3号機の燃料取り出しは先送りになり、汚染水の処分が依然として課題となっている。

「生活再建かすむ針路」
今春、浪江町など4町村で避難指示が解除されるが、帰還困難区域の解除の目途は立たない。

「帰還住民 高齢者5割超」
帰還者に占める高齢者の割合が各自治体で5割を超え介護人材の確保など体制の再構築が緊急課題となっている。

「「いじめを実感」福島64%」
福島第1原発事故の避難者へのいじめや差別を身近に感じたことがある割合が、福島県では64.5%に達した。

東北の復興は確実に進んでいますが、まだまだ途上であり、復興したかしないかの2択で答えられる状況ではありません。まして復興のゴールが見えない福島の問題は先の長い支援が必要になります。宮城地域担当としての実感では外部支援団体の活動休止などが続き、被災地にとって5年目より6年目の方が大きな節目になっていると感じています。JPFは福島支援強化にシフトしましたが、岩手、宮城に関しても今後のニーズに応えられるよう被災地に寄り添っていきます。

4月14日は熊本地震から1年目ですね。私は宮城担当でなかなか熊本にうかがうことができておりませんが、遠い東北より熊本のみなさんに想いを寄せています。

ブログをお読みのみなさまも是非、引き続き被災地に関心を寄せていただけるとありがたいです。

宮城担当

みんぷくのコミュニティ形成支援事業を視察させていただきました。

  こんにちは。ジャパン・プラットフォーム(JPF)福島担当です。

  JPFが助成している支援団体「3.11被災者を支援するいわき連絡協議会(以下、みんぷく)」は、福島で被災地支援に携わっています。その活動の中には、JPF以外の団体から助成を受けているものもあります。そうしたさまざまな活動を見ることは、JPFがよりニーズにマッチした支援を考える上でとても大切なことだと思っています。そこで2月28日(火)、みんぷくがトヨタ財団の助成金で行ったいわき市(福島浜通り)の豊間と沼の内の災害公営住宅におけるコミュニティ形成支援事業の視察と報告会に行ってきました。

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  福島県いわき市では、原発事故の避難者のための県営の復興公営住宅と津波の被災者のための市営の災害公営住宅があります。県営の方は県のコミュティ交流事業によって、さまざまな取り組みがなされているのですが、市営の方はそういった取り組みをしかけるコミュニティ交流員が配置されていません。そのため市営の災害公営住宅の入居者からは不満の声があがっており、市営災害公営住宅と県営復興公営住宅が隣接している場合、同じ地域内で軋轢が生じることなどがあるようです。

  こうした状況の中、みんぷくはトヨタ財団の助成で、津波被災者のための市営災害公営住宅でコミュニティ形成に向けた様々な取り組みを行っていました。

  最初に視察したのは、豊間の災害公営住宅です。いくつかの特長的な取り組みがあるのですが、まず、カラオケの催し物が盛んで、7つサークルがあり、各15人ずつくらいが参加しています。年120回以上もカラオケのイベントを開催しており、営業用のカラオケの機械もカラオケ会社からの無償リースで、戦略的に導入しました。

  カラオケのために集会場に足を運ぶ習慣や流れができて、そこから新たなサークルも形成されているとか。新年会などは100人以上が訪れ集会場がいっぱいになるので、3~4回に分けてやったそうです。

  住民も協力的で、各団地、各階ごとのニーズを拾うなど役員の努力もすばらしいとのこと。一般的に災害公営住宅の役員のなり手がないと言われますが、ここは固定した役員で2年半継続しているそうです。

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 しかし、様々な問題もあるそうです。豊間は元々3、4世代が一緒に同居していたそうですが、震災後は核家族化しています。災害公営住宅の高齢化率も著しいのは他と一緒です。また、「来年から家賃が上がり、これまでの2倍になる」「共益費が高い(月4千円)」等の声も挙がっています。これについては空き部屋を無くして共益費の割り分を安くしていきたいとのことでした。

 次に沼の内の災害公営住宅で視察した様子です。こちらでは住民同士の取り決めで、その日の体調、心の状態によってマグネットをドアに貼り付けるという取り組みがなされていました。マグネットを確認して必要があれば、近所同士声をかけあっているそうです。もちろん強制ではないので、マグネットを張りたい人だけ自発的にこの取組みに参加しているのですが、どんどん参加する人が増えているそうです。 

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 みんぷくはJPFの助成金でも災害公営住宅の支援を行っており、今回のような取り組みがあるという情報の交換がみんぷくを通して行われています。他の災害公営住宅にもこうした取り組みが広がっていくことが期待されています。

福島担当

JPF加盟NGOが販売するチョコレート

 今月14日はバレンタイン・デーでしたね。

 その間は、あちらこちらで美味しそうなチョコレートが販売されていて、最近は色・形もきれいなチョコレートが多くて、街を歩いていると目を奪われるものばかりでした。

 こうしたブランドのチョコレートも美味しいですが、私はJPF加盟NGOであるAAR Japan[難民を助ける会]が販売しているチョコレートがとても好きです。

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写真:チャリティチョコレート・ミルク AAR Japan[難民を助ける会]ウェブサイトhttp://www.aarjapan.gr.jp/support/shopping/chocolate/ より)

 北海道の有名なお菓子メーカー、六花亭製菓株式会社の協力で製造されているとのことで、甘さも口どけもとてもなめらか。疲れている時などに食べると、ついつい何枚も口に入れてしまいます。オンラインショップもありますし、団体事務所でも直接購入できるようです。おすすめのチョコレートですので、機会がありましたら是非食べてみてください。

 また、JPF加盟NGOのオックスファム・ジャパンが販売するフェアトレードのチョコレートもお気に入りです。ミルク、ダーク、ヘーゼルナッツクリームの入ったプラリネの3種類があります。どれも美味しいのですが、それぞれ風味が異なるので、その時の気分によって違うのをいつも選んでいます。

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写真:チョコレート(ミルク)(オックスファム・ジャパンウェブサイトhttps://shop.oxfam.jp/products/list.php?category_id=9 より)

 こちらも、オックスファム・ジャパンのオンラインショップ、もしくはオックスファム・ショップ(https://shop.oxfam.jp/user_data/shop.php)で購入できます。

 JPF加盟NGOの中には、チャリティグッズやフェアトレード商品の販売事業を行っている団体もいます。
 わかちあいプロジェクト(http://www.wakachiai.com/)やピースウィンズ・ジャパン(http://peace-winds.org/)などのオンラインショップでは、クッキー、コーヒー、紅茶がかわいくラッピングされて販売されています。
 ホワイトデーのお返しや、プレゼントで、“買い物で国際協力”をしてみてはいかがでしょうか。

普段の生活のなかで東北を身近に感じられるおススメの催し&場所をご紹介

こんにちは。東京事務所の川村です。

まだまだ寒い日もありますが、私の住んでいる神奈川では梅や河津桜が咲き始め、春の足音が少しずつ聞こえてきました。

東日本大震災の発災からもうすぐ6年目の節目を迎えます。
震災後、約5年を過ごした宮城を離れて実感しているのは、東京では震災関連のニュースや話題が少ないということです。震災関連のテレビ番組も年々視聴率が低下していると聞きます。記憶の風化、忘れられていくことの怖さとはこういうものかと改めて感じています。

6年目の3.11をひかえたこの時期、普段の生活のなかで東北を身近に感じられる私のおススメの催しや場所をいくつかご紹介したいと思います。

■ アート・写真に興味のある方にオススメ

写真展 「新井卓 Bright was the Morning – ある明るい朝に」@横浜

木村伊兵衛写真賞などを受賞している写真家新井卓さんの写真展です。荒井さんが撮っているのは「これが写真?」と驚くダゲレオタイプ(銀板写真)という写真。紙でもない、デジタルデータでもない、銀板に写る複製できないたった1枚の写真です。なかなか説明が難しいので、ぜひ実物を見ていただきたいです。写真展では、荒井さんが震災後に東北に拠点を構えて撮影した写真も展示されています。そのなかでも私が特に印象深かったのは、福島の若い世代のポートレイト。高校生らと対話しながら撮影されたポートレイトは、彼・彼女らがその時に語った言葉(音声)とともに紹介されています。期間中は荒井さんのトークも行われるようです。

▼詳細はこちら
http://artazamino.jp/event/azamino-photo-20170226/


■ 食べるの好き、お酒も大好きという方におススメ

宮城漁師酒場 魚谷屋 @中野

宮城県石巻市を中心とした三陸の若手漁師が、地域や業種(何のお魚を捕っているか/何を養殖しているか)を超えて集まり、三陸の漁業と海産物の魅力を発信している(一社)フィッシャーマン・ジャパンが経営する居酒屋「宮城漁師酒場 魚谷屋」。旬の海産物が生産者から直送され、なかなか東京では食べられない新鮮なお魚料理が楽しめます。毎月第3水曜日の「みやぎ水産の日」には、宮城の旬の海産物と宮城の日本酒を楽しむ会が開催されています。2月は15日(水)に開催予定で、この時期に脂の乗っているメカジキを使ったお料理が登場するそうです。

▼詳細はこちら
http://uotaniya.fishermanjapan.com/
▼イベントの案内はfacebookページへ
https://www.facebook.com/events/644829085703885/


■ 福島を取り巻く状況を知りたい方におススメ

報告会 「震災から6年 知ってほしい、あなたのそばにいる避難者のこと」@目黒

JPF加盟団体でもある認定NPO法人難民を助ける会(略称AAR)が3月12日(日)に開催する報告会です。難民を助ける会の名前は被災地でも地域の方からたびたび耳にします。特に被災した授産施設や福祉作業所の方々は、難民を助ける会から施設修繕や機材購入の支援を受け施設を再開できたとお話しされます。そのように忘れられがちなニーズを適時に捉え、地域に寄り添った支援を続けてきた団体による今回の報告会のテーマは、原発事故の影響を受けた地域から離れて避難生活を続ける人たちのこと。福島県から避難して東京で避難生活を続ける女性や避難者の支援に携わる方が、避難生活の現状や将来についてお話しされるようです。

▼詳細はこちら
http://www.aarjapan.gr.jp/join/event/2017/0312_2222.html
津波や原発事故によって、家や仕事、大切な人を失い生活環境が激変した被災地は、いまだたくさんの課題を抱えています。6年目の節目が近づくこの時期、東北に触れる機会をつくっていただき、引き続き東北の復興に関心をお寄せいただけると嬉しいです。

国内事業部 川村