ジャパン・プラットフォーム(JPF) 公式ブログ

緊急人道支援組織、認定NPO法人ジャパン・プラットフォーム(JPF)のブログ。NGO・経済界(経団連、企業など)・政府(外務省など)が連携し、国内外の緊急人道支援を実施。寄付金・募金受付中。

釜石市鵜住居川流域地区で菜の花農園整備を通じた「コミュニティ再生」

今回は2014年4月までジャパン・プラットフォーム(JPF)が助成を行っていた、一般社団法人 ユナイテッド グリーン(以下ユナイテッドグリーン)の事業を紹介します。ユナイテッドグリーンは、主に岩手県釜石市鵜住居川流域地区において、「コミュニティ再生」、「収入の不足」という課題を解決するため、被災農地や被災花壇、耕作放棄地を活用し、菜の花を植えて、ナタネ油として販売するコミュニティビジネスの活動を行っている団体です。

ユナイテッドグリーンが主に活動を行っている鵜住居川流域の地域は、津波により大きな被害を受けたため、この地域の住民の方々は、仮設住宅や、みなし仮設への入居をすることとなり、コミュニティが分断してしまいました。そこで、被災前にもともとこの地域に住んでいた方々の交流のきっかけ作りとして、菜の花農園の整備を始めました。4月にJPFの助成により、菜の花農園の整備に必要な農機具を保管するための農機具保管小屋が完成しました。地域の方々と共に、6月末から7月上旬頃には菜の花の収穫を行い、8月末から9月頃には菜の花の種まきの作業を行うそうです。

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写真:完成した農機具保管小屋

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写真:菜の花農園に必要な農機具

また今後は、この農園の敷地にベンチや東屋を設置し、近隣住民が集まる場所を作っていきたいとのことでした。

モニタリングに伺った日は、県外からボランティアさんが作業のお手伝いに来ていました。その日の作業は、釜石市のホタテの養殖業者から養殖時に発生する大量のムール貝を引き取り、ムール貝を使用した堆肥作りに取り組んでいました。漁業関係者の間では、ムール貝は産業廃棄物として扱われ、お金を払って廃棄をしているそうですが、この産業廃棄物としてのムール貝から堆肥を作ることができれば、農業関係者にとっても肥料として使えるためメリットがあり、さらには畑で使用した堆肥の養分が地下水を伝わり、海へ戻るため、良い循環をつくり出すことができるとのことでした。

堆肥作りはまだ実験段階ということで、今後の展開が楽しみです。

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写真:ムール貝を使用した堆肥作りの様子

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ジャパン・プラットフォーム 岩手県 地域担当:高久