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国際協力NGOジャパン・プラットフォーム(JPF) 公式ブログ

国際協力NGOをサポートする認定NPO法人ジャパン・プラットフォーム(JPF)のブログ。NGO・経済界(経団連、企業など)・政府(外務省など)が連携し、国内外の緊急人道支援を実施。寄付金・募金受付中。

岩手県沿岸部の子どもを取り巻く背景にについて ~保育ニーズ、放課後の居場所、子どもの減少~

岩手

こんにちは、岩手担当の高久です。

前回、2月に掲載したブログ、「共に生きる」ファンド締め切り前の現場スタッフがしていることとは?の記事には、助成金申請を考えている団体さんへの相談対応の様子をお伝えしました。今回は、日々地域担当が行っている重要な業務の一つ、である地域課題の把握と整理についてお伝えします。

岩手、宮城、福島に駐在している地域担当の日々の業務としては、各地で開催されている情報交換のためのネットワーク会議への参加、JPFの「共に生きるファンド」で助成している団体さんへの事業実施状況のヒアリングなどを行っています。地域担当が地域を周る中で収集してきた情報をもとに、いま、被災地ではどのような状況なのか、どの様なニーズがあり、ニーズへの対応状況などを分野ごとに整理し、関係団体などへ定期的に配信しています。

たとえば岩手における子どもを取り巻く環境に関する情報を整理していると、2つの課題が浮かび上がってきます。

  1. 岩手県沿岸部では、震災後18歳未満の子どもの数が減少
  2. 岩手県沿岸部での、保育士の有効求人倍率が上昇。待機児童数も増加。

地域を回り様々な方の話を伺う中で、震災後、祖父母や両親らが犠牲になるなどの理由で家族構成・家庭環境が変化し、家庭内で子どもを見守る環境が変化したということを耳にします。また、震災後、生活再建などのため、女性の就労意識が高まったことにより託児・保育ニーズが増えたといえるのではないでしょうか。これらは、就学児童についても同様で、放課後の子どもの居場所のニーズも増加していて、そういった状況から岩手県沿岸部での保育士のニーズは高まっている反面、労働条件や待遇などの理由で求人を出しても人が集まらない現状があります。

一方、震災以降の18歳未満の子どもの数の減少の背景には、内陸避難や県外避難世帯が、避難先で定住を決断したケースや、親が震災後職を失ったことで内陸に移転するなど、沿岸部から流出しているケースなどが考えられます。

f:id:japanplatform:20141029115316j:plain写真:岩手県沿岸部の災害公営住宅

地域担当としては、さまざまな情報をもとに、多角的、客観的に分析し、ニーズ情報の発信やリソースのマッチングなどのお役に立てればと考えております。

以下は岩手日報の掲載記事の中からの関連記事からのメモです。内容を活用される場合は、掲載元をご確認ください。

日々メディアからの情報もアーカイブし参考にしています。

 

 [沿岸の人口流出について] 
※参考:岩手県内の15歳未満の人口は159,000人(出典:「人口推計」(総務省統計局))

■子どもの減少(内陸部への流出)http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/news.cgi?sh=20150302_2

沿岸部では、18歳未満の子どもの減少が深刻化している。2010年と14年を比較すると0~18歳の減少率は沿岸12市町村で13.5%、全県の減少率に比べ5.4㌽高い。最も高かった大槌町は25.2%に上る。震災後職を失ったことで内陸に移転したことなどが背景にあるとみられる。(岩手日報2015年3月2日)

■子どもの流出(陸前高田のケース)

陸前高田市の小中学生の人数を比較すると、2010年から14年で400人以上減った。同市の教育長は、「転居した先で新しい関係ができ、また地元に戻る機会を見つけられないでいるのではないかと」とみる。(岩手日報 2015年3月)

■沿岸から内陸への動き

被災して沿岸部(県外含む)から転居し、内陸の学校に通う子どもが増えている。2014年度は内陸9市だけで、少なくとも494人に上っている。盛岡市教委によると、各校での聞き取りに基づく市内の被災小中学生は12年度167人、13年度201人、14年度230人と増加している。(岩手日報 2015年3月3日)

[未就学児童を取り巻く状況]

■待機児童
岩手県の待機児童の数は、震災前にくらべ、3.6倍に急増している。生活再建のため、女性に働こうとする意欲が高まり、企業進出で就労機会も広がった反面、施設、人材といった、保育環境が整わないことが原因である。(岩手日報 2014年8月)

(県全体 2010年 53人 → 2014年 193人)

(釜石 2010年 0人 → 2014年 39人)
(宮古 2010年 0人 → 2014年 15人)

■保育士不足(URL)
保育士の有効求人倍率を2010年12月と2014年12月で比べると、本県(岩手)は1.13から1.59、宮城は0.76から1.86、福島は0.69から1.86に上がった。被災地沿岸部は、ハローワーク大船渡管内4.4、宮古管内3.0など都市部並みの高い数字だ。大槌町役場佐々木民生部長は「仕事の大変さの割に賃金が安いため敬遠されている。大槌町安渡保育所では、ハローワークや町の広報誌で募集したが、応募ゼロだった。資格があっても別の仕事に就く人も多い」と分析する。(岩手日報 2015年3月)

[小学生などの放課後の居場所]

■学童保育に関して
東日本大震災で大きな被害を受けた沿岸部では、仮設住宅への転居で登下校にかかる時間が長くなったり、祖父母や両親らが津波の犠牲になったことなどが要因で、学童保育登録者が増えている。一方、資金面や人員確保などの課題がある。沿岸部12市町村では、震災後学童保育の登録者集が増え、2010年に2178人に対し2014年には2460人に増加している。(岩手日報 2014年9月)

■放課後の子どもの居場所
震災後に家族構成や親の仕事が変わるなどした沿岸部では、放課後に子どもが安心して過ごせる場所の確保が課題となってきた。県教委によると、2014年に放課後の「公的居場所」が未設置の沿岸小学校区は18で、10年度から13減少した。設置率は14年度82.6%。全県91.0%には及ばないが10年度比で8.6%高い。釜石市は、12年度までに放課後児童クラブを全9小学校に設置。さらに、放課後に帰宅する児童ら向けに放課後子ども教室の整備も進める。震災で半減し一時2か所になった教室は現在6カ所に増えた。子ども教室の場合、震災後の運営費は国が全額負担。導入しやすい条件にあり、一層の増加が期待されるが、実施には障がいがあるという。市教委によると「子どもの遊びをなぜ大人が見るのか」「遊ばせるとうるさい」などの声があり、住民理解の醸成は課題。(岩手日報 3月3日)

[制度に関して]

■4月からの子育て支援制度
待機児童の解消などを目指した「子ども・子育て支援新制度」が4月から始まる。保育所と幼稚園の機能を併せた「認定こども園」のほか、0~2歳児向け少人数保育サービスなどを充実。親がパートや休職中でも保育を利用できるようになり、子どもの預け先の選択肢が広がる。一方で、都市部を中心に保育士は大幅に不足。経営面の不安などから新制度の枠組みへの移行を決めかねている施設も多く、どこまで利便性が高まるか見通せていない。政府は「待機児童解消加速プラン」を掲げ、2015年度は8万2千人分の保育の受け皿を確保。待機児童が多い0~2歳児を対象とした「小規模保育」など少人数保育サービスを広げる17年度末までに保育士も6万9千人増やす必要がある。保育士資格がない人にも担い手になってもらうため、補助的役割として「子育て支援員」制度を新設する。子どもの小学校入学時に、親が仕事を辞めざるを得ない「小1の壁」を解消するため、「放課後児童クラブ」(学童保育)も拡充する。昨年7月の内閣府調査では、回答があった全国の私立幼稚園6833園のうち、15年度に認定こども園に移行するとしたのは828園にとどまった。(岩手日報 2015年3月30日)

ジャパン・プラットフォーム岩手地域担当: 高久


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