ジャパン・プラットフォーム(JPF) 公式ブログ

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福島市内で霊山竹生島流棒術を習い始めました

ジャパン・プラットフォームで福島の地域担当をしている山中です。

私は、その土地に派遣されると、その土地特有の楽しみ、趣味を見つけるようにしている。それはその土地への愛着から、その土地の特性、アイデンティティなどを理解したいという思いと、あとは、長期化する現地駐在生活の中で、それがストレス・マネージメントのために有効だからである。これまでの現地駐在生活の中でも、中国の朝鮮族自治州でテコンドーを習ったり(ちなみに初段を取得)、東ティモールではスキューバーダイビングやシュノーケリングをしたりしていた。中国の朝鮮族自治州でテコンドーをしていると、中国人朝鮮族だけでなく、韓国人、北朝鮮人とも交流することができた。東ティモールではそれまで内戦で、外国人が入れなかったので、スキューバーダイビングという文化がなく、海の中は手つかずで、サンゴも完璧な形で残っており、ザトウクジラが水をかけて飛び跳ねたり、白ながすクジラが橋をかけて横切ったり、マンタとナポレオンフィッシュと同時に一緒に泳いだりもう大騒ぎだった。ジュゴンやマナティもいるが、出会うことはなかった。出会って恋に落ちていたら今ここにいないだろう。

今回、東日本大震災における現場での活動も4年を過ぎた。2011年3月19日に福島を通って陸路(東北自動車道)で宮城に入り、その後、女川に配属になり、その年の10月から岩手担当になった。2012年度は岩手から福島に出入りし、2013年度に福島に拠点を構えて早2年になる。避難者の心のケアの重要性や支援者のストレスの顕在化、支援疲れが現場の課題として挙がってくる中、そろそろ私も福島で、その土地特有の楽しみ、趣味を見つけようと思い始めた。そこで福島の古流武術である霊山竹生島流棒術に出会い、昨年秋から習い始めている。

福島と言えば、相馬の野馬追いが有名で、福島の代表的な古流武術として相馬の馬術があるが、同じく福島の代表的な古流武術として紹介される物に霊山竹生島流棒術がある。福島の霊山と言えば、避難指示地域には指定されなかったが、線量が高い地域があり、避難指示特別勧奨地帯とされたエリアがある。また霊山と言えば、会津藩の家老であった西郷頼母が戊申戦争後に霊山神社の神主をしており、そこで武田惣角に武術を伝え、それが大東流合気柔術として世に広く伝わり、それを元に合気道ができたという話がある。

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深い文化と歴史を持つ霊山神社

また西郷頼母は西郷四郎という養子にやはりその武術を教えたが、やがて彼は姿三四郎のモデルになるほど衝撃的に強く、当時の柔道、柔術の世界に大きな影響力を及ぼした。しかし、西郷頼母自身は表に出ようとはしなかったという。誰にでも分け隔てなく、その武術を伝えたというが、特に武術の流派を作ったりしたということはなかったようだ。最初、その西郷頼母が伝えたと言われる幻の武術を追い求めたが、巡り合うことはなかった。

こうした情報を収集しているうちに辿り着いたのが、霊山竹生島流棒術であった。

霊山竹生島流棒術は、その昔、南北朝の頃、北畠顕家が霊山に比叡山の僧兵を連れて来た時、その僧兵が自分達の体得している竹生島流棒術を地元の人に伝えたという。現在、長崎にも竹生島流棒術が残っているが、元々は同じところから派生しているが、今では技がかなり違うのだとか。

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新緑の美しい初夏の霊山神社

福島は霊山の他にも都路など都にゆかりのある地域が多々ある。小野小町がいたという小野という地域もある。しかし、そうした土地も放射能の被害にあっている。福島は少し山に入ると、清流が流れ、木立が豊かで植物の種類も多い。日本の原風景とも言える美しい森と川のせせらぎと古い民家が目につく。常にどの作物も5位以内に入っていた農業や高級後の宝庫だった漁業が放射能により打撃を受けたことも残念だが、こうした文化や歴史も大きな打撃を受けているのだ。

ジャパン・プラットフォーム 福島地域担当 山中


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