ジャパン・プラットフォーム(JPF) 公式ブログ

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地域支え合いの仕組み「地域共生ホームねまれや」〜被災者支援から地域福祉へ〜

こんにちは。岩手担当の高久です。

岩手では、現在災害公営住宅の建設が急ピッチで進められ、仮設住宅から災害公営住宅への移行がピークを迎えています。仮設住宅から新たな地域への移転に対して、安心して生活を始められるよう、コミュニティ形成支援や自治会等運営サポートなどのニーズが高まっています。コミュニティを新しく形成するための支援では、支援団体には住民の主体性・自主性の発揮を促すかたちでの活動が求められます。同時に、震災復興支援のみならず地域福祉の観点をしっかり取り入れた支え合いの体制を構築し、被災者や障がい者、高齢者などが地域の中で安心して生活ができる仕組みにシフトさせていくことが重要になっています。

今回は、大槌町大ヶ口地域で、災害公営住宅の新たなコミュニティ形成支援を実施しながら、地域全体で被災者、高齢者、障がい者、などを支えあっていくための仕組みづくりに取り組んでいる団体、ワーカーズコープ大槌地域福祉事業所の活動を紹介したいと思います。

2013年9月に大槌町大ヶ口一丁目に災害公営住宅が完成しました。こちらの災害公営住宅には、震災以前から大ヶ口地区に住んでいた方と、他地区から移り住んできた方が入り混じっており、新たなコミュニティ形成のサポートが急務でした。ワーカーズコープは、2013年12月より大ヶ口一丁目災害公営住宅集会所を活用し、サロンや、各種イベントなど、地域住民の交流機会を創出する活動を実施しています。地域住民の主体性を育むため、災害公営住宅に新たにできた自治会役員をサポートしながら、地域の方に寄り添いながら活動しています。2015年度より、本活動はジャパン・プラットフォーム(JPF)の「共に生きる」ファンド事業として助成させていただいております。

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ワーカーズコープは、災害公営住宅に移り住んで新たな生活を開始した方と、もともとその地域に住んでいた方が垣根を越えて交流し、地域全体でお互いに支えあえる体制づくりにも取り組んできました。2016年2月には、被災経験や障がいの有無に関わらず、子どもから高齢者まで地域の住民が集える場、「地域共生ホームねまれや」を開設しました。具体的な事業としては、介護保険の通所介護や、日中一時支援(障がい者・児)、学童保育、地域食堂などの活動を一つの施設で実施しています

 

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ジャパン・プラットフォームとしては、関心のある企業さんにお声がけをし、机や椅子、家電などの開設にあたり必要となった備品の支援のサポートを行いました。

大槌町では、震災後の人口が震災前に比べて24.1%減と、他の沿岸12市町村の平均9.6%減と比べてもかなり人口が流出していることが分かります※。

若者世代の流出が多く町全体の高齢化が進む中、被災者支援事業から地域福祉にうまくシフトしている事例であり、素晴らしい取り組みだと思います

いわて復興インデックス報告書(第15回)より

www.pref.iwate.jp

ワーカーズコープ東北復興本部 事務局長 古澤様からのコメント

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ワーカーズコープは2012年から大槌町に入り、「支援」ではなく、住民が主体となって自分達の町に必要な活動を一緒になって創り上げることを目的に活動を行ってきました。現在、大槌と釜石に暮らす6名の仲間が共に働いています。私たちが目指すことは

「地域の様々な小さな困りごとに応えられる活動やつながりをつくること」

です。そのためにも活動を継続できる基盤づくりが重要です。今、その基盤づくりに向かう移行期をジャパン・プラットフォームさんに支えてもらいながら取り組んでいるところです。

いつも、本当にありがとうございます。これからも大槌町に暮らす皆さんと共に住みやすい町づくりに一歩ずつ取り組んできますので、どうぞ、よろしくお願い致します

 

ジャパン・プラットフォーム 国内事業部 岩手地域担当 高久


 


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