ジャパン・プラットフォーム(JPF) 公式ブログ

緊急人道支援組織、認定NPO法人ジャパン・プラットフォーム(JPF)のブログ。NGO・経済界(経団連、企業など)・政府(外務省など)が連携し、国内外の緊急人道支援を実施。寄付金・募金受付中。

支援者向け研修で心のケア

   こんにちは。福島担当の山中です。

   10月20日(金)に、「みんぷく(みんなが復興の主役)」がJPFの共に生きるファンドの助成事業として行う「いわき~ふたばネット」というネットワークにて、支援者向けの心のケア、ストレスマネージメント、コミュニケーションスキルアップ、ケーススタディーの研修が行われました。これはJPFが復興庁から委託を受けている復興庁コーディネーター事業の一環として行われており、地域ネットワーク体の基盤強化と支援者のキャパシティービルディング、住民のエンパワーメントが目的です。

   「みんぷく」は、立ち上げ当初からJPFが共に生きるファンド等を通じて支援している、いわき浜通りで、被災者支援を行うNPOのネットワークを形成する団体です。これまで、仮設住宅、地域コミュニティの支援を行いながら、複数の支援団体を取りまとめてきました。現在は県の委託事業として福島第一原発事故に関する特別措置法によって建てられた復興公営住宅の住民に対して、コミュニティ交流員を配置して、原発事故により被災し避難生活を続ける住民の支援を行っています。またJPFの共に生きるファンドにて、災害救助法による災害公営住宅の津波被災者に対して、自治会支援を行いながら複数の支援団体を取りまとめて支援活動の調整を行っています。みんぷくの関係するネットワークへの参加団体はおよそ70団体です。いわきは浜通りの広域津波被災者を抱え、双葉8町村からの原発事故避難者をもっとも多く抱える地域であり、住民との軋轢などの課題も多く存在します。

   今回研修をお願いした白石先生は、震災直後JPFとも関係のある「JOCS(日本キリスト教海外医療協力会)」という日本で最初のNGOから釜石にカウンセラーとして派遣されていました。また岩手の遠野や福島の中通りや山形で、支援活動を行うスタッフに対して同様の研修を行ってきました。これまでに福島浜通りのいわきでも、「みんぷく」や小名浜の「ザ・ピープル」という団体に対して数回にわたり研修を行ってきました。最近ではいわきの「いのちの電話」の支援員にも研修を行っています。

   今回の研修のきっかけは、宮城で応急仮設住宅や災害公営住宅の支援を行うスタッフや団体に対して、後方支援や研修事業を行っている「宮城県社会福祉士会」との情報交換会で打ち出されたニーズに対応するものであります。情報交換の中で、「みんぷく」ではコミュニティ交流員への対人支援の研修を行うにあたり、外から有名な方を招いて研修プログラムをやりたくても費用が高くて難しい等の課題が挙げられました。また、「いわき~ふたばネット」の中でも、今や支援者の支援疲れが顕著になり、グループ内の人間関係もギクシャクしたり、トゲトゲしたりしてきているので、支援者向けの心のケア、ストレスマネージメントの研修が必要との声がありました。

 こうした状況を背景に今回の研修が行われました。いわき市や浜通り双葉郡で、応急仮設住宅や復興公営住宅、災害公営住宅などを対象に支援活動を展開しているNPOスタッフや、コミュニティ交流員を中心に20名ほどの参加がありました。

 研修では、まず支援者の心を癒す研修。スキャニングといって頭の上から足先まで自分の体の中を探って行き、痛いところ、弱いところなどを探っていきます。それを絵に描いて、何人かで隣の人に回していきます。受け取った絵にみんなでそれぞれ手を加えていくと、最後に元に戻った時、おもしろい、不思議な、素敵な絵に仕上がっていきます。それぞれの絵について、みんなそれぞれ説明するのですが、私の苦しみをみんなが癒してくれた、私の痛みをみんなが温めてくれたなどの意見が相次ぎました。不思議と肩や首、腰の痛みが本当に消えたという話もありました。f:id:japanplatform:20171026144611j:plain

 次にはコミュ二ケーションスキルについて学びました。繰り返し、ペーシング、相手の深みに留まること、肯定の声掛けなどについて学びました。そして釜石での実際のケースやいわきで想定されるケースを用いてコミュニケーションのトレーニングを行いました。
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参加者からは
・実際のワークでみんなに支えられていることが分かり、心が癒された。
・誉める、誉められることにこんなに効果があるなんて驚いた。
・すごく楽しい研修だった。毎週でも受けたい。
などの声が多数きかれました。f:id:japanplatform:20171026144827j:plain
 今回様々な支援関係者が影響しあって実現できたプログラムですが、JPFは復興庁コーディネーター事業の一環で今後もこうした研修を引き続き行っていきたいと思います。

ジャパン・プラットフォーム(JPF)
山中

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