ジャパン・プラットフォーム(JPF) 公式ブログ

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「第4回 災害時の連携を考える全国フォーラム」に参加してきました

こんにちは。はじめまして。

1月からジャパン・プラットフォーム(JPF)東京事務所に入りました小泉と申します。「共に生きる」ファンド助成事業や九州地方被災者支援事業の事務局サポートをしています。どうぞよろしくお願いします。

早速ですが、521()22()2日間、JVOAD(全国災害ボランティア支援団体ネットワーク/✳1)が主催する「災害時の連携を考える全国フォーラム」(場所は両国です)に参加してきました。

(✳1)JVOAD=全国災害ボランティア支援団体ネットワーク。2011年の東日本大震災の際、事前の連携体制が十分に構築されていなかった事により現地での支援団体やボランティアの調整が困難だった反省を踏まえ2016に設立された。「支援者間の連携の促進と支援の調整を目的とした団体 

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 2日間の開催で、参加者は昨年を更新し、626(暫定/登壇者を含む) だったそうです。フォーラムに参加して、災害に備える上で役に立つ知識を得てきましたので、中から幾つかご紹介したいと思います。

2日目の全体セッションで、昨年の西日本豪雨災害の際の広島での取組みについてレポートがありました。

テーマは「大規模災害に備えた地域のネットワーク」で、広島で中心的な役割を担ったNPOや地元の社会福祉協議会の方、地元の防災士のネットワークの方、また東京から駆けつけたNPOJVOAD顧問で大学教授の方達がそれぞれの立場で取り組まれ経験された事をパネリストとして発信されました。

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災害発生後は、被害の状況把握や被災地域の把握、避難が必要な人達への迅速な支援が必要になります。広島の場合、NPO法成立前から先駆け的にNPO 支援センターとして設立され、NPOや企業、市民と共に社会的課題に取り組み、それを社会に発信して来た「(特活)ひろしまNPOセンター」が行政や社会福祉協議会と連携しつつ迅速に災害ボランティア本部を立ち上げて運営をした事や、また地元の社会福祉協議会が普段から地域住民と話の出来る関係作りに取り組んでいた事があり、駆けつけたボランティアを他機関と連携しつつ適切に被災者に繋げる事が出来た事などの成功例がありました。 f:id:japanplatform:20190531113358j:plain

地元防災士ネットワークの方から、近くの中学校を避難所にと行政に働きかけ認可された事から中学生のボランティア参加が生まれ、その後中学校の授業に防災の時間が組み入れられた話があり、現在もそれが続いている事な ど、地元での密なコミュニケーションが災害への備えや実際に災害が起きた時にも生かされるモデルになるような事例など含め、東京から駆けつけたNPOを含め成功例がありました。ただ、一方で、住民の情報を得るには行政の制限があるため、民間レベルでは限度があり、具体的な情報が得られなかったために被災者への支援まで至らなかった話や、また行政の中でも情報共有出来なかったと言う反省、情報会議・ネットワーク会議の視点が外部の支援者目線になってしまっていた、最も被災者の情報を持っているのは地元住民なので、地元住民からの情報を得る事が大切、など今後に活かされる、または改善が必要な意見もありました。  

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印象に残ったエピソードとして、温かいものや栄養のある野菜などを被災者に食べて貰いたいと避難所に持参しても、衛生上の問題から行政から許可がおりず被災者に届ける事が出来なかったと言う話が何度かありまし た。避難生活が長期化する場合には、冷たいものしか食べられない事で健康上の影響が出てくると言う指摘もあるので、改善が必要な課題に思われますが、衛生面を懸念する行政側との間で、深い議論が必要だと言う意見もありました。

今回の全国フォーラムでは、2日間に跨って20の分科会が行われました。そのうち「食と栄養」と言う身近なテーマの分科会について簡単にお伝えします。

先ずは、オープニングで(公財)味の素ファンデーションより、「災害発生後、【食と栄養】軸で起きる課題は問題山積み」との問題提起がありました。

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例えば、温かい食事の提供はとても大切だそうです。実際にイタリアでは、政府が災害用キッチンカーを約50台保有し、48時間以内に温かい茹でたてパスタやピザ、ステーキや野菜等が組み合わされた機内食のような食事が被災者に届くようです。イタリア程でなくても、アメリカの場合、太陽光パネルを装着したソーラーキッチンカー(ソーラーからの電気は主に冷蔵庫や電気に使用) が200万円から400万円で購入出来るようです。災害多発国の日本には、そのどちらも無いですが、このままでいいの?と問題提起されています。ただ、行政も頑張って下さっている、でも限界があるので、異なる強みを持った組織が集まって、【食・栄養】にまつわる課題解決に向け官民学連携活動を始めたようです。『出典:JVOAD主催第4回災害時の連携を考える全国フォーラム分科会#17 発表資料より』

続いて、国際災害栄養研究室の笠岡(坪山)宜代先生の「災害時の食と栄 養~改善のために出来ること~皆さんの力が必要!」のお話がありました。災害時での食事は重要との事ですが、例えば糖尿病患者でも食事で血糖値の悪化が抑えられるようです。災害時でも、避難所での食事だからと諦める必要はなく、健康に悪いものを我慢して摂る必要は無いと言う事です。そうはいっても、ではどうやって避難所や避難時の食事で工夫をする事が出来るのか?と言う疑問は出てきます。先生の示す避難所の栄養不足や栄養格差を改善するヒントとして、以下の5つが提示されています。

 1. 避難所規模を大きくしすぎない。温かい食事をだす(ガス・調理環境)

 (避難所規模が大きいと、温かい食事は供給しにくい。  

 2. 何かしらのオカズをだす。

 3.栄養士がレシピを作った炊き出し

 4.避難所間で連携。給食センター方式

 5.快適なトイレ環境

『出典:JVOAD主催第4回全国フォーラム分科会#17 発表資料より』

3. については、栄養士が炊き出し献立を作成すると、乳製品・果物の回数が増えると報告されています。日本には、DA-DAT(日本栄養士会災害支援チーム)と言う組織があるようで、2011年の東日本大震災以降は災害毎に発災直後から現地に対策本部を設置して一定期間滞在しています。緊急な課題に対応している可能性もありますが、必要に応じて相談してみるのも良い方法かも知れません。

(✳2)DA-DAT(日本栄養士会災害支援チーム)――――――――――

東日本大震災をきっかけに、大規模自然災害発生時、迅速に被災地での栄養・食生活支援活動を行うために、2012年に設立。国内外で大規模災害が発生した地域において、避難所、施設、自宅、仮設住宅等で被災者に対する栄養に関する支援活動が出来る専門的なトレーニングを受けた栄養支援チーム。―――――――――――――――――――――――――――――――――――

最近では、避難所の食事にお弁当を出すようになり、避難所の食生活は進化し続けているようです。それでもおにぎりやパン、カップ麺などに頼る事もあるようですから、炭水化物が多くて栄養に偏りが出る問題は依然変わりません。そして、同時に、個人的な都合、健康上の理由で配られる食事が摂れない人がいるという個別の問題もあります。全体の問題として、栄養が偏った食事を長期に摂る事から来る栄養不足の問題、菓子パンを沢山食べる事による血糖値の上昇、肥満や虫歯の問題、そして更に深刻なのは、個人の健康上の理由による個別の問題(災害弱者)なんだそうです。避難所の1/3は何らかの理由で食事に困っている被災者がいると言う話もあり、中には周囲と違う事情がある事を言い出せない人も多くいるとか。個別の事情を抱える妊婦、乳幼児、高齢者、持病を持つ人たちを把握する事や、繰り返し呼び掛けて自ら申告して貰う努力が必要のようです。

そしてもう1つ、地域の物流の拠点を把握しておく事がオススメだそうです。実は、避難所の近くにある事も多い地域の物流拠点には、医薬品、食品、衛生用品、生活用品が集まっているので、そこから入手出来ると食生活や生活の改善がはかれるとのこと。避難所の中でスタッフや周囲の人たちと相談をして、地域の物流拠点を調べて利用出来れば生活が改善できるかも知れませんね。『出典:『JVOAD主催第4回全国フォーラム分科会#17 発表資料より』

印象に残った内容を本当に部分的に簡単にお伝えしてきましたが、以上でJVOAD主催の全国フォーラムについてのご報告は終わりにします。拙い文章でしたが、お読みいただきありがとうございました。

紙面の都合で、最後に少しだけになりましたが、自宅の小さな庭や近所で生き生きと育つ植物たちと、知り合いが育てている薔薇をご紹介します。

 

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写真はすべて(c)JPF 

地域時事業部 小泉