ジャパン・プラットフォーム(JPF) 公式ブログ

緊急人道支援組織、認定NPO法人ジャパン・プラットフォーム(JPF)のブログ。NGO・経済界(経団連、企業など)・政府(外務省など)が連携し、国内外の緊急人道支援を実施。寄付金・募金受付中。

お母さんたちへの寄り添いを通じてのネットワーク構築

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福島の相馬・南相馬で活動するBridge for Fukushimaは、ジャパン・プラットフォームの「共に生きる」ファンドの助成で2つ事業を実施しました。
第10次「乳幼児を持つお母さんの子育てネットワーク フェーズⅡ」2013年3月31日に事業終了
第12次「南相馬市小高区コミュニティーかけはし事業」 ※現在、実施中

今回は、助成が終了した『乳幼児を持つお母さんの子育てネットワーク フェーズⅡ』を紹介します。Bridge for Fukushimaは、相馬・南相馬を中心に、乳幼児を持つお母さんたちの寄り添いネットワークの構築と子育て環境の整備、水の配付を実施してきました。

お母さんたちの会員は、400人から800人に増え、さらに広がっています。お母さん同士が子育ての悩み、不安を話し合い、少しでも前向きに何か動けるようにネットワークを構築しています。現地では空間線量は下がっていますが、除染の方針はなかなか見えず、線量の高い地域もホット・スポットと呼ばれ移動しています。むしろ川沿いの広場や山際など子どもが行きたくなるようなところが高くなる傾向にあると言われます。土、地面などは除染が行われない限り線量は高いままです。Bridge for Fukushimaでは、子どもの居場所を提供し、お母さんたちの自主性で、子どもに必要な遊び道具を始めとした環境を揃えてもらっています。また、乳幼児に適正年齢に自転車を乗るようになってもらおうと、屋内で自転車に乗る場を提供し練習を手伝っています。乗れるようになると証明書が発行されます。広大な海と田んぼ、畑が続く相馬・南相馬では、自転車は子どもにとっても重要な足になります。お母さんたちからは、「外で泥遊びができないので、室内の施設は大変ありがたい」との声があがっています。

また、Bridge for Fukushimaによれば、お母さんたちの水への不安は強く、ミネラルウォーターの使用率も100%で、家計を圧迫しています。Bridge for Fukushimaは乳幼児を持つお母さんたちの精神的不安と経済的負担を少しでも軽くしたいとの思いで、水の寄付を受けてお母さんたちに配布する支援を続けています。が、その寄付も減ってきており、今は自己資金でミネラルウォーターを調達して配布しているとのこと。ジャパン・プラットフォームは、お母さんたちに水などをはじめ、地域の生活上の課題を通してお互いに寄り添い、ネットワークを築いていっていただきたいと願っています。

小高は「避難指示解除準備区域」に指定されていますが、帰還するか、帰還を考えているか、帰還を踏みとどまっているか、住民の考えはさまざまです。Bridge for Fukushimaでは、引き続きジャパン・プラットフォームの助成金事業で、そうした様々な住民同士のネットワーク形成と情報交換の場の提供という、重要な役割を担っています。

ジャパン・プラットフォーム山中

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