国際協力NGOジャパン・プラットフォーム(JPF) 公式ブログ

国際協力NGOをサポートする認定NPO法人ジャパン・プラットフォーム(JPF)のブログ。NGO・経済界(経団連、企業など)・政府(外務省など)が連携し、国内外の緊急人道支援を実施。寄付金・募金受付中。

「持続可能な暮らしの足を考えるフォーラム」が開催されました。

今年度より宮城に加えて岩手も担当することになりました三浦です。

少し前の話になりますが、昨年度末に「持続可能な暮らしの足を考えるフォーラム」が岩手、宮城、福島の3県で開催されました。こちらは宮城県石巻市で活動し、ご自身での移動が困難な住民の方を病院などへ送り届ける移動支援を行う団体、Rera(http://www.npo-rera.org/)がJPF共に生きるファンドを活用して実施したフォーラムです。

私も運営のお手伝いをさせていただきましたのでフォーラムのようすをご紹介させていただきます。

みなさま、「暮らしの足=移動」について考えたことありますでしょうか?
人は移動なしでは生きていけません。通勤も通学も通院も買い物も必ず移動が付いて回ります。旅行もデートもお墓参りだって移動無くして不可能です。家の外に出なくてもトイレやベットまで必ず移動します。

呼吸するように無意識に移動しているため、あらためて移動について考えたことがある方は少ないと思います。そんな日常ではあまり意識することがないけど実はとてもとても大切な「暮らしの足」について考えるフォーラムが開催されました。

岩手、宮城、福島それぞれの県で50人を超える参加者があり、行政、社協、企業、NPOなど様々立場の方々で活発な意見交換がなされ、参加された方々からは「勉強になった」、「みんなで考えなければならない問題だ」、「継続して開催してほしい」などの声がありました。

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ここでフォーラムが開催された背景について、少しご説明をします。
東日本大震災では多くの車が流され家庭や公共の足が奪われました。津波や原発事故の影響で道路が寸断されたり、応急仮設住宅や災害公営住宅、防災集団移転など居住地が大きく変わったりして、役所や学校、病院などの公共施設も移転を余儀なくされました。そのようなさまざまな原因で暮らしの足を支える復興支援活動が必要になりました。

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6年たった被災地ですが、震災前のような暮らしの足は復活していません。少子高齢化が10年進んだといわれる被災地においても、震災前と同程度の公共交通網を整備することは難しい状況です。そもそもバス停や駅まで歩けない高齢者や公共交通機関を利用できない障害をお持ちの方は、公共交通機関があるだけでは暮らしが成り立ちません。家族や近所、友人知人の送迎が必要になりますが、災害公営住宅などへの移転で核家族化が進み、地域コミュニティ形成もまだまだこれからという被災地では多くを期待できません。障害をお持ちの方や、通院が不可欠な高齢者など社会的に弱い立場の方が、移動できずに生活困窮に陥るケースが出てきています。明日食べるものを自分で買うことができない、友達にも会いに行けない、ご先祖様のお墓参りにもいけない。病院に通うなど生きるために必要な最低限の移動しか行えない方が実際に多くいらっしゃいます。公共交通や福祉の制度、家族の送迎など地域の中の移動手段をフルに活用して移動困難者を無くしていく必要がある、そのための第一歩となるべく開催されたのが今回のフォーラムになります。

暮らしを支える移動は大きく3つに分けられます。
ひとつはバスなどに代表される公共交通、
ひとつは施設利用者や障害をお持ちの方が利用できる福祉制度による移送、
ひとつは家族や隣近所による住民主体の送迎です。

すべての移動困難者を支える公共交通は、これからの世の中では期待できません。もちろん、福祉制度や住民が単独で担える移動困難者は限られます。公共交通事業者と福祉事業者、地域住民がそれぞれの事業でできることできないことを理解し、少しずつ補い合わなければ地域の中の移動困難は無くなりません。

公共交通や福祉、地域住民としての立場を超えて暮らしの足を考える第一歩となるのが「持続可能な暮らしの足を考えるフォーラム」。住民の取り組み、行政の取り組み、NPOの取り組みを紹介し合い、地域の移動をどうしたらよいのか会場全体で考える。そのような場が岩手、宮城、福島で各一回設けられました。

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震災を起因とした地域の課題の中には、日本全国で共通の課題となっているものも多く、そのような課題の解決には多くの方の知恵と実践の積み重ねが必要になります。本フォーラムをきっかけとして東北での暮らしの足の実践がより深いものになり、全国に広がっていって地域の課題解決に結びつけばと願っています。

地域事業部
三浦
※国内事業部は4月1日より地域事業部となりました。

6月1日、「たらちねクリニック」オープン!

 5月8日にこのブログでお伝えしたジャパン・プラットフォーム(JPF)が助成する「認定NPO法人NPO法人いわき放射能市民測定室 たらちね」(以下、たらちね)の活動の続編です。

 2017年5月21日(日)に、いわき市内のたらちね事務所で「たらちねクリニック」の内覧会が開催されました。関係者、報道陣、スタッフ含めて約50名が集まり、手作りで温かい会となりました。

 まずは、常勤医師の藤田操院長による沖縄三線と歌でスタート。
 藤田先生はたらちねクリニックの前に「NPO法人沖縄・球美の里」のある沖縄県久米島で勤務されており、「安里屋(あさとや)ユンタ」という沖縄民謡の「小名浜バージョン」を聞くことができました。 

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 続いて、来賓であるいわき市の清水敏男市長はじめ、医療機器関係者、支援者・団体、地域の方々など、様々な分野の応援団が、たらちねへの熱い想いをスピーチ!
 清水市長からは、たらちねがクリニックを本当に作ってしまったことへ驚きと、これからはここが安心の拠点となる、というお言葉がありました。

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▲清水いわき市長

 他の来賓からも、このクリニックに大きな期待と希望が寄せらました。

 そしていよいよ手作りのリボンによるテープカットの後、内覧が始まりました。

 たらちねは、今回の開設のために部屋を拡張するなど改装したそうです。内装は子どももリラックスできるスペースとなるように工夫。待合室は青空の壁紙とし、診察室は、心を落ち着かせる効果があると言われているピンク色をベースにしています。また、支援企業であるdōTERRA Japanさんの素敵なアロマの香りに癒されます。

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 藤田先生はあっという間に記者たちに囲まれ、特に甲状腺検査については熱心な質問を受けていました。

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 このクリニックの特長は、甲状腺検査と内部被ばく検査が充実していることです。子どもたちをはじめとする地域の人々が、自分自身の健康に留意し、将来にわたって心身の状態を良好に保つための手助けをすることが目的です。そのため、患者さんが小さな心配事も話せる環境を作り、できる限りの対応をしていきたいとクリニックは考えているそうです。

 また、他の医療機関との連携はもちろん、常勤医師の藤田先生の他、東京から小児科医の黒部信一先生、小児精神科医学がご専門の渡辺久子先生の診察日も設けています。スタッフも、診察前後のフォローや接し方などのトレーニングを重ねています。

「まちのお医者さん」として、どんな方でも気軽に受診していただけます。遠方からのお越しも歓迎です(予約されることをお勧めしているそうです)。

 もちろん、今まで通り出張による甲状腺検査も行っていくそうです。 

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▲たらちねクリニックのメンバー

 クリニック開設の決意からオープンまで、たくさんの方々の協力があり、思いが実ったことをとてもうれしく思っています。

「未来のために自分たちで考え、自分たちの力で具体的に問題に取り組んでいる姿」。今回のクリニック開設でも、そんなたらちねの姿が見えました。

【たらちねクリニック】
(6月1日から通常の診察が可能となります。)
福島県いわき市小名浜花畑町11-3 -3F
内科 小児科
診療時間は、9:00~12:00、14:00~16:30(土日祝休み)
※予約をお勧めしますが、無しでも受診していただけます。
予約と問い合わせは、電話0246-38-8031まで。

 JPFは、今後も福島の方々の支援を続けていきます。

JPF地域事業部 斎藤
※国内事業部は4月1日より地域事業部となりました。

3.12に被災した長野県栄村の「震災復興祈念館」を訪ねて

 JPFの被災地支援活動に関わらせて頂き早くも10か月が経過しようとしております地域事業部の池座です。平日は主に福島県にいるか、東北の被災地域のどこかで微力ながらの緊急人道支援の活動をさせていただいております。

さて、私事ですが最近、新潟県十日町市にて第2子(女の子)がうまれました。そんな中、先週末には第一子とともに、家族の住む自宅から車で20分ほどに位置する「長野県栄村」にとお散歩に出かけました。(出来る限り日中に動いてぜひ疲れて欲しいので車にストライダー(ペダル無し二輪車)を積んでいきます)

まず、栄村についてご紹介します。
新潟県十日町市・津南町エリアと長野県野沢温泉村・飯山市エリアに挟まれた県境の山間部に位置する長野県栄村は、人口約2,000人の日本有数の豪雪地域で、秋山郷を抱える「にほんのさと100選」にも選ばれている美しい村です。日本最高積雪地点(私もご近所ながら初めて知りました)となるJR森宮野原駅を最寄り駅としています。

▼日本最高積雪地点 JR「森宮野原」駅 f:id:japanplatform:20170516163354j:plain

ご存じの方もいらっしゃるとは思いますが、この地域は、3.11の翌日「2011年3月12日3時59分頃」にマグニチュード6.7の直下型地震(長野県北部地震/栄村大震災)の被害を受け、直接的な死者は出なかったものの村民の約8割が避難をし(秋山地区を除く村内全域に避難指示)、住居や農地、ライフライン等に大打撃を受け、3.11の陰に隠れた「忘れられた被災地」と報じられることもあります。

▼当初、震災関連の情報発信基地があった駅舎f:id:japanplatform:20170516171239j:plain 

▼駅舎内に残された応援メッセージf:id:japanplatform:20170516163123j:plain 

わたしは2011年に個人的に栄村を訪問したことがありました。その時は村の中心部にあるJR森宮野原駅の駅舎の中にボランティア拠点が設置されており、地元の支援関係者の方から「東北地域に比べたら、命に関わるような被害もなく規模が全く違うので、住民やボランティアで何とかなりそうです」ということをお聴きし、気になっていたもののその後は足を運べておりませんでした。
※被災当初の写真は、栄村役場ウェブサイトをご参照ください。

6年ぶりの訪問となった今回、中心地を訪問をしてみると、駅舎はそのまま存在するものの、駅の敷地にもう一つ新しい立派な建物があるのに気がつきました。

この建物は「震災復興祈念館」 と命名され、1Fが被災状況などを伝える展示物や応援メッセージ、村民7人の証言を収めた映像、ジオパークとして地域紹介コーナー、観光協会の事務所、子育て支援ルームに、2Fが地域の森林組合の事務所として多機能型で運営されていました(神戸にある「人と防災未来センター」を小規模にした感じでしょうか)。ガイドしてくれた、他県から移住してきたという若い観光協会の職員さん曰く、祈念館は昨年2016年4月に完成した村で一番新しい施設だそうです。

▼栄村震災復興祈念館
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▼被災状況などの情報展示f:id:japanplatform:20170516170252j:plain

個人的に気になっていた村民の現状については、以下のようなお話をうかがうことができました。
・「全国からの心ある支援で目に見える被害についての復興はほぼ達成されたと考えている」
・「半壊や一部半壊などのお宅の一部は、修理しないまま暮らしている」
・「高齢化が進み、豪雪地帯であるため、被災したことをきっかけに村を出ていく人も少なくない」
・「逆に、自分の様に、人々の温かさが今なお残り、この自然豊かな栄村の魅力にひかれ、移住してくる人もいる」
・「東北の被災地に比べたら被害も比べものにならないくらい少なかったので、忘れられても仕方がない部分もあるが、この地、自分たちのことを忘れず、とても良いところなのでこれからも是非訪れて欲しい」

▼応援メッセージ
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最近では支援者を含めた他地域からの来訪者も多く、村の人たちも活用する拠点になりつつあるそうです。こうして様々な機能を織り交ぜながら効率的な運営をする栄村震災復興祈念館ですが、記憶を後世に紡ぐという意味においても、地域内外の人たちが気軽に立ち寄り対話できる拠点という意味においても、貴重な施設だと感じました。

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震災時や避難時に心身に負った傷、地震保険に加入していなかった世帯の甚大な経済負担、転居せざるを得なかったり世帯を分けざるを得なかったりした人たちなど、東北同様、地域や家族、本人にしか分からないことも沢山あるだろうと想像しつつ、辛抱強く、目の前にある生活を大切に生きる村の人たちの姿勢から力を頂いた一日となりました。

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栄村やその周辺地域は、登山・キャンプ・温泉・芸術祭・雪まつり・スキー・乗り鉄・撮り鉄など、四季折々の見どころがありますので、是非、観光を交え復興祈念館にも足を運んでみてください!

▼参考ウェブサイト

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栄村秋山郷観光協会
http://sakae-akiyamago.com/
津南町観光協会
http://www.tsunan.info/page_top/top.php
十日町市観光協会
http://www.tokamachishikankou.jp/
野沢温泉 観光協会
http://nozawakanko.jp/
信州いいやま観光局
http://www.iiyama-ouendan.net/
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地域事業部(2017年4月1日より、国内事業部から名称を変更しました) 
池座
tsuyoshi.ikeza@japanplatform.org

見えないものを知り、ひとつひとつ確かめていく活動をモニタリングしました

ジャパン・プラットフォーム(JPF)の東日本大震災被災者支援「共に生きる」ファンドでは、今年の1月から、いわき市の「NPO法人いわき放射能市民測定室 たらちね」(以下、たらちね)に助成しています。JPFによる助成のねらいは、放射性物質の数値を正しく知ることで目に見えない放射能というものを知っていただき、過度な不安を取り除き、地域コミュニティ全体で放射能との向き合い方を模索することにあると考えています。

今回は普段馴染みのない【放射性物質の測定】や、希望者が多い地域に医師と共に出向く【出張甲状腺検診】の活動をモニタリングさせていただきましたので、ご紹介します。

【4月28日(金)】
【放射性物質の測定】ガンマ線(セシウム134、137)の測定

放射線には、アルファ線、ベータ線、ガンマ線 の3種類があります。原発事故後、私たちが報道などで知る放射性物質の値は、ガンマ線の測定結果がほとんどです。今回はまず、ガンマ線の測定活動をモニタリングしながら、実際の測定も特別に体験させていただきました。

今回の測定で検体となったのは、いわき市南部の小名浜でとれた布海苔(ふのり)と和布蕪(めかぶ) 。
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まずは布海苔。布海苔はハサミで簡単に切って容器に隙間なく詰め、測定器にセットします。検体の量はできるだけ多く(1リットルまで)、測定時間を長くかけると、より正確な数値が得られるそうですが、今回は5時間の測定時間としました。たらちねは、結果を月毎にまとめてホームページに掲載しています。

続いて和布蕪。和布蕪を測定するためには、容器に隙間なく和布蕪を詰める必要があります。和布蕪は大きく立派なため、ひたすらみじん切りをする作業は包丁裁きに慣れない私は海藻ならではのぬめりにも苦戦し、時間がかかりました。

工夫しているな、と感心させられたのは、ガンマ線測定器の設置方法です。研究室などでは、より正確な数値を導き出すため、測定器の周りを鉛で囲むことで周囲の放射線を遮っていますが、お金がかかることと、かなり重量のある設備になるという理由から、市民の測定室では測定器をそのまま部屋の中に置いているところが多いそうです。しかし、たらちねでは鉛の代わりにペットボトルの水の入った箱を周りに積み上げ、また、床と測定器の間には水の入ったままのペットボトルを敷き詰め、放射線の影響を遮る工夫をしています。これにより、鉛の遮蔽と変わらない環境を安価で実現しています。ここでは女性ならではの知恵が随所にちりばめられていると感じました。
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【放射性物質の測定】ベータ線(トリチウム、ストロンチウム90)の測定

ガンマ線測定室の向かいのラボ(研究室)へ移動。
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こちらも検体は食品が多いですが、他に土壌や、地元の漁師さん達の協力を得て採取した福島第一原発沖の海水も測ります。検体の性質により、薬品や様々な機材を使って濃縮・乾燥・完全に灰化してから測定します。結果を得るまで約一週間から10日かかるそうです。この測定では検体を50~100gを用意し、電気炉で乾燥させるまでの説明を受けました。私は指導のもと、豆と米、土壌の測定のため、それぞれをミキサーでパウダー状になるまで砕く作業を体験しました。
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ベータ線測定は、時間も技術も必要で、且つ、測定器も数千万円と高額なため、市民による測定はハードルが高い領域だそうです。たらちねのスタッフも、もともと放射能の専門家ではありませんでした。震災前は放射能とはまるで関係なく過ごされてきた方々が経験を積み、専門家の指導を受けながら有機溶剤作業主任者・第三種放射線取扱主任者の資格を取り、熱意と清々しい使命感をもって仕事をされていました。

測定作業をする間、事務所内にはたくさんの電話がかかってきたり、測定や取材のために訪れる方がひっきりなしに訪れていましたが、その対応は見事で、チームワークにも感嘆しました。


【4月29日(土)】
【甲状腺出張検診】

福島駅近くの施設で午後から行う医師による出張甲状腺検診のため、私はスタッフの方々と共に朝、出張検診の際に活躍する「たらちね号」に検診セット(測定器、ベッド、カルテなど)を積み込んで事務所を出発。f:id:japanplatform:20170429085659j:plain


ゴールデンウィークで渋滞を心配しましたが車は順調に走行。お天気にも恵まれ、途中の新緑の山々や、小野町(福島県田村郡)の夏井川両岸に5kmにわたって植えられている美しい夏井千本桜も見ることができました。f:id:japanplatform:20170429170900j:plain


今回の医師は、桜はまだこれからという札幌から、北海道がんセンターの小野寺先生。今回は40人の方々に検診を受けていただきました。小野寺先生の優しくわかりやすい語りかけにより、不安をもって来られた方が物怖じせずに質問できるなど、納得できる検診となったのではないでしょうか。f:id:japanplatform:20170429122525j:plain


当日までのしっかりとした準備の他に、重くて大きな荷物を運んだり、車で長距離移動したりするのは重労働ですが、「自分達がなぜ、何のためにやっているのか」が頭と体に染み込んでいる皆さんなので、不測の事態でも自然なフォローをし合っていらっしゃいました。こういう「有り様」がたらちねの特長なのだなと思いました。

なお、出張検診はどなたでも受けることができます。
次回は5月20日、宮城県角田市の角田市市民センターで行う予定だそうです。

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さて、たらちねは、新しい活動として診療所である【たらちねクリニック】を開設します(5月2日から、健康相談会受付開始)。ここに至るまで、たくさんの関係者が知恵を出しあい準備を進めてきました。内覧会は5月21日に予定されていますので、またこのブログで紹介いたします。

たらちねのホームページでも、様々な情報が更新されていますので、是非ご覧ください。

地域事業部(2017年4月1日より、国内事業部から名称を変更しました) 斎藤

東北事務所の窓から

こんにちは。今日は東北事務所から季節を実感できる風景についてのお話です。

今年の東北事務所の窓風景で雪が舞うことは何度かありましたが、ケヤキ並木がきれいに雪化粧したのは、1度だけでした。例年より寒さ厳しい日が少なく、光熱費にも若干ではありますがその恩恵をうけることができました。f:id:japanplatform:20170417174018j:plain

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このまま春へまっしぐらかと思いきや、3月は例年通りの寒さで、未だ道路向かいのビルをはっきりみることができます。f:id:japanplatform:20170417174109j:plain

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でも、やっと芽吹き始め、週末の暖かさで緑の葉が。。f:id:japanplatform:20170417174157j:plain

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河北新報によると、昨年の4月26日には、こんなにやさしい緑が広がっていたんですね。
http://photo.kahoku.co.jp/graph/2016/04/27/01_20160427_15027/001.html

今朝はこんな感じでした。f:id:japanplatform:20170418085617j:plain
昨日の雨で一気に若葉が。
この時期は窓からの風景が一日で変わります。

あともう少しで、いろいろな緑を楽しめる新緑の季節がやってきます。
新緑の傘からもれる光をあびながらランチをしたいと思います。

東北事務所

震災関連記事より

みなさま、年度末真っ盛り猫の手も借りたい忙しさかと思います。
無事年度を越えられそうな見込みは立ちましたでしょうか?
私は心穏やかに年度を越えられそうにありません・・・
心を亡くすと書いて忙しい、先人は良く考えてるなと改めて思います。

少し前の話になりますが、3月11日震災から6年目を迎えました。
みなさまどう過ごされたでしょうか?
私がおります宮城県では、沿岸市町村ごとに合同慰霊祭が行われ、14時46分には一斉にサイレンが鳴り響きます。震災で亡くなった方にとっては七回忌ということもあり復興関連のイベントも比較的少なく、亡くなった方に想いを寄せるなど慰霊のために穏やかに過ごされる方が多いようです。

宮城県に常駐していると実感しにくいのですが、この時期「震災の風化」という言葉をよく聞きます。東北でも地域の新聞に載っている震災関連の報道はだいぶ少なくなってきましたが、3月11日近くなると震災関連の記事が多くなります。JPF東北事務所では毎年この時期に河北新報の震災関連報道を切り抜き、壁新聞を作っています。

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 今年貼り出している記事を抜粋してみます。

「仮設住宅入居いまだ3万3748世帯」
岩手、宮城両県は住宅再建で仮設からの退去が進んでいるが、福島県は原発事故の影響で先行きを見通せずにいる。


「沿岸被災者42%家計悪化」
震災前と現在の暮らし向きの比較では、岩手、宮城、福島の被災3県の沿岸部に住む被災者の42.4%が厳しくなったと答えた。

「土地区画整理 現状と溝」
土地区画整理事業工事の長期化で人口が流出し、計画と現状のずれが拡大し広大な空き地が生じかねない状況。

「震災関連倒産累計391件」
震災を起因とした東北の企業倒産が6年間の累計で391件になった。震災1年目の3割弱に減少したが、依然として倒産は発生しており影響は根深い。

「廃炉作業遠い道のり」
福島第一原発の溶融燃料の実態は、事故6年目を迎えても明確になっていない。3号機の燃料取り出しは先送りになり、汚染水の処分が依然として課題となっている。

「生活再建かすむ針路」
今春、浪江町など4町村で避難指示が解除されるが、帰還困難区域の解除の目途は立たない。

「帰還住民 高齢者5割超」
帰還者に占める高齢者の割合が各自治体で5割を超え介護人材の確保など体制の再構築が緊急課題となっている。

「「いじめを実感」福島64%」
福島第1原発事故の避難者へのいじめや差別を身近に感じたことがある割合が、福島県では64.5%に達した。

東北の復興は確実に進んでいますが、まだまだ途上であり、復興したかしないかの2択で答えられる状況ではありません。まして復興のゴールが見えない福島の問題は先の長い支援が必要になります。宮城地域担当としての実感では外部支援団体の活動休止などが続き、被災地にとって5年目より6年目の方が大きな節目になっていると感じています。JPFは福島支援強化にシフトしましたが、岩手、宮城に関しても今後のニーズに応えられるよう被災地に寄り添っていきます。

4月14日は熊本地震から1年目ですね。私は宮城担当でなかなか熊本にうかがうことができておりませんが、遠い東北より熊本のみなさんに想いを寄せています。

ブログをお読みのみなさまも是非、引き続き被災地に関心を寄せていただけるとありがたいです。

宮城担当

みんぷくのコミュニティ形成支援事業を視察させていただきました。

  こんにちは。ジャパン・プラットフォーム(JPF)福島担当です。

  JPFが助成している支援団体「3.11被災者を支援するいわき連絡協議会(以下、みんぷく)」は、福島で被災地支援に携わっています。その活動の中には、JPF以外の団体から助成を受けているものもあります。そうしたさまざまな活動を見ることは、JPFがよりニーズにマッチした支援を考える上でとても大切なことだと思っています。そこで2月28日(火)、みんぷくがトヨタ財団の助成金で行ったいわき市(福島浜通り)の豊間と沼の内の災害公営住宅におけるコミュニティ形成支援事業の視察と報告会に行ってきました。

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  福島県いわき市では、原発事故の避難者のための県営の復興公営住宅と津波の被災者のための市営の災害公営住宅があります。県営の方は県のコミュティ交流事業によって、さまざまな取り組みがなされているのですが、市営の方はそういった取り組みをしかけるコミュニティ交流員が配置されていません。そのため市営の災害公営住宅の入居者からは不満の声があがっており、市営災害公営住宅と県営復興公営住宅が隣接している場合、同じ地域内で軋轢が生じることなどがあるようです。

  こうした状況の中、みんぷくはトヨタ財団の助成で、津波被災者のための市営災害公営住宅でコミュニティ形成に向けた様々な取り組みを行っていました。

  最初に視察したのは、豊間の災害公営住宅です。いくつかの特長的な取り組みがあるのですが、まず、カラオケの催し物が盛んで、7つサークルがあり、各15人ずつくらいが参加しています。年120回以上もカラオケのイベントを開催しており、営業用のカラオケの機械もカラオケ会社からの無償リースで、戦略的に導入しました。

  カラオケのために集会場に足を運ぶ習慣や流れができて、そこから新たなサークルも形成されているとか。新年会などは100人以上が訪れ集会場がいっぱいになるので、3~4回に分けてやったそうです。

  住民も協力的で、各団地、各階ごとのニーズを拾うなど役員の努力もすばらしいとのこと。一般的に災害公営住宅の役員のなり手がないと言われますが、ここは固定した役員で2年半継続しているそうです。

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 しかし、様々な問題もあるそうです。豊間は元々3、4世代が一緒に同居していたそうですが、震災後は核家族化しています。災害公営住宅の高齢化率も著しいのは他と一緒です。また、「来年から家賃が上がり、これまでの2倍になる」「共益費が高い(月4千円)」等の声も挙がっています。これについては空き部屋を無くして共益費の割り分を安くしていきたいとのことでした。

 次に沼の内の災害公営住宅で視察した様子です。こちらでは住民同士の取り決めで、その日の体調、心の状態によってマグネットをドアに貼り付けるという取り組みがなされていました。マグネットを確認して必要があれば、近所同士声をかけあっているそうです。もちろん強制ではないので、マグネットを張りたい人だけ自発的にこの取組みに参加しているのですが、どんどん参加する人が増えているそうです。 

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 みんぷくはJPFの助成金でも災害公営住宅の支援を行っており、今回のような取り組みがあるという情報の交換がみんぷくを通して行われています。他の災害公営住宅にもこうした取り組みが広がっていくことが期待されています。

福島担当