災害時の食支援ネットワーク構築に取り組むJPF加盟NGO、セカンドハーベスト・ジャパン (2HJ) がJPF休眠預金活用事業の一環として、2024年11月20日から22日の3日間、能登半島で支援関係者向けの研修会を実施しました。山口や広島などで活動するフードバンク団体や防災士を中心に、10名ほどが参加しました。
初日:地元と支援団体の連携
研修初日は、JPF加盟NGOのパルシック(PARCIC)と連携する重蔵神社(輪島市) の担当者から、「地元と支援団体の連携による食支援」について活動内容が共有され、活発な意見交換が行われました。
2日目:食品応援パッケージ作成と寄り添う支援の姿勢
2日目の午前は、2HJが中能登町で拠点にする倉庫で、フードバンクジャパン七尾とフードバンクとやまの2団体が、「地震発災当時の状況と団体としての動き、どのような役割を持って活動にあたったか」を話しました。この中で、フードバンク七尾の方が語った「ものは直るが、心は治らない。(被災者に出会ったら)寄り添ってあげてほしい。」という言葉が、参加者の心に深く響きました。被災者支援において、物資だけでなく心に寄り添う姿勢の大切さを改めて考えさせられる一場面でした。
続いて、被災した方々に届けるための「食品応援パッケージ」を作成しました。最大4,500箱(1,500世帯に3回)を配付する予定です※。
倉庫では、JPFに支援いただいているコマツのフォークリフトが重要な役割を担っていました。フォークリフトのおかげで荷物をたて積みでき、平置きと比べて保管物資の量を増加させることができます。必要とする物資の大量保管をすることで、支援団体への食品供給量の増加につながっています。
お昼休憩を挟んだ後、フードバンク能登(鳳珠郡穴水町)に移動し、「フードバンクとしての現在活動と今後の被災自治体との連携」をテーマにした報告が行われました。
3日目:珠洲市での現地視察
最終日は、珠洲市の視察です。珠洲市健康増進センターで「避難者の訪問巡回事業と食支援の連携」をテーマに、担当の方にお話しいただきました。
寄り添う支援を目指して
3日間の研修を通して、参加者は被災地の現状に触れ、復興が思うように進んでいない現実を痛感し、支援の課題や難しさをあらためて感じていました。また地域連携の重要性を再認識し、自団体の災害時の行動を見直すきっかけになったという声がありました。
今回の経験を通して、支援の現実と課題を肌で感じることができ、今後の支援の在り方についても、具体的なイメージを描き始めている様子が印象的でした。JPF、2HJは、今後も関係団体と連携し、研修で得たことを支援に活かしていきます。
※JPF助成事業(能登半島地震被災者への食料支援事業)