ジャパン・プラットフォーム(JPF) 公式ブログ

緊急人道支援組織、認定NPO法人ジャパン・プラットフォーム(JPF)のブログ。NGO・経済界(経団連、企業など)・政府(外務省など)が連携し、国内外の緊急人道支援を実施。寄付金・募金受付中。

被災住宅の応急修理支援

みなさんにとって「家」とはどんなものですか?

東日本大震災では、多くの住宅が被災しました。 岩手県沿岸地域でも、代々受け継いできた家族の歴史が詰まった家に住んできた方々、大家族でわいわい暮らしてきた方々の家が被災しました。

家に対する想いは強く、また様々な理由から仮設住宅に入れなかった場合など、被災した状態でもなお在宅で生活する被災者も多くいらっしゃいます。その暮らしはけっして安心・安全な生活とは言えませんが、応急修理のための公的支援は昨年夏に終了し、また制度と制度の谷間にこぼれ落ちてしまうこともあり、震災から1年が経過した今もなお修繕がままならない状態です。

東北もよう、やく春めいてきた5月2日、岩手県大船渡市で公的支援では難しい被災住宅の修繕支援を行う、ハビタット・フォー・ヒューマニティ・ジャパン(以下、ハビタット・ジャパン)を訪問しました。

大船渡市は岩手県内でも住宅被害の割合が大きかった自治体の一つ。ハビタット・ジャパンはここ大船渡市において、東日本大震災により被災した住宅の修繕費用の一部補助や、被災者が利用可能な住宅関連支援制度に関するコンサルティングを実施しています。

今回、ハビタット・ジャパンの支援を受けた2軒のお宅を視察させて頂きました。

1軒目は重厚な小屋組と広々とした間取り、また彫刻が見事な気仙大工による築140年のお宅。気仙地方(大船渡市・陸前高田市・住田町)では、気仙杉などの地元材を利用した木造平屋建ての伝統建築が有名です。こちらのおじいちゃんは気仙大工で、ご自身で鴨井を掘ったり内装を手がけたりしてきたそうです。大切に住み続けてきた家への愛着は強く、未修繕のまま自宅に住まわれていました。高齢のおじいちゃんを心配する同居家族の依頼で、津波で壊れたドアや窓のサッシの修繕費用を支援しました。

2軒目のお宅は、高台に立地し津波の被害こそ免れたものの、地震により土台が大きく損傷し、家全体が傾いていました。しかし、住宅の被害認定は「半壊」であったため、仮設住宅に入ることも、十分な公的支援を得ることも難しい状況だったそうです。

土台が傾いたことにより水道管が破損し、震災後は洗面所しか水が使えなくなってしまいました。ハビタット・ジャパンでは、台所や風呂場の水道工事の費用を支援しました。

「家」は家族の居場所であり、ほっと一息ついてまた次の日もがんばるため、復興へ進むための活力を養う場所。元気で健康に暮らすために大切な場所。家族の歴史を紡ぐ場所。

今回の活動を見せて頂き、改めて「住環境」の大切さを感じました。

ジャパン・プラットフォームは助成を通じて上記活動への支援をさせて頂いております。

これからも被災地の復興のため、ジャパン・プラットフォームは地域のニーズにあう支援を行っていきたいと思います。 

修繕前 (写真提供:ハビタット・フォー・ヒューマニティ・ジャパン)

修繕後(写真提供:ハビタット・フォー・ヒューマニティ・ジャパン)

JPF遠野 関口

ハビタット・フォー・ヒューマニティ
「東北支援 第46報】岩手県大船渡市:被災住宅100軒の修繕支援を開始」
http://www.habitatjp.org/jpblog/2012/02/ofunato-1.html