災害時の支援では、被災者の生活や尊厳に深く関わるからこそ、支援の質や配慮のあり方がこれまで以上に問われています。こうした背景を踏まえ、国際的に共有されている人道支援の基準を日本国内の現場でも活用していくことが重要になっています。
2025年度、JPFでは休眠預金活用事業として実施している複数の事業を横断し、合同研修を開催しました。本研修には、2023年度・2024年度通常枠の災害支援事業に取り組む実行団体、そして2023年度活動支援団体枠の支援対象団体が参加し、人道支援の国際基準である「スフィア基準」および「性的搾取・虐待およびセクシャルハラスメントからの保護(PSEAH:Protection from Sexual Exploitation and Abuse and Sexual Harassment)」について学びました。
今回の研修の目的は、基準を“知識として理解する”だけでなく、各団体が日々の活動と結びつけながら「自分たちの現場でどう実践するか」を具体的に描けるようになることです。研修はJQANに委託し、スフィア研修は同団体が主催する通常研修に参加する形で実施。PSEAH研修は、日本国内の事例を中心に特別構成で行われました。
スフィア基準は、人道支援における質と説明責任を確保するための国際的な指針であり、近年は日本の災害対応でも注目が高まっています。対面で実施したスフィア研修では、講義に加えて寸劇を取り入れ、参加者が支援現場をよりリアルに想像しながら学べる工夫が凝らされていました。参加者が積極的に議論に加わり、実践を意識した深い理解につながりました。また、各団体が自らの活動にどのように基準を取り入れるかを考えるアクションプラン作成にも取り組みました。
一方、オンラインで実施したPSEAH研修では、国内の具体的な事例をもとにした解説やグループディスカッションを通じて、活発な意見交換が行われました。性的搾取や虐待といったテーマは重いものですが、災害時には特に弱い立場に置かれやすい人々を守るために欠かせない視点です。参加者からは「これまで意識できていなかった課題に気づいた」「組織としての対応を考える必要性を実感した」といった声が寄せられました。
今回の研修を通じて、参加団体においては人道支援基準への理解が深まったのではないかと思われます。JPFは、災害支援に取り組む団体の基盤強化やスキルアップを今後も継続的に支援し、現場での実践につながる取り組みを進めていきます。


JPFの休眠預金事業
