国際協力NGOジャパン・プラットフォーム(JPF) 公式ブログ

国際協力NGOをサポートする認定NPO法人ジャパン・プラットフォーム(JPF)のブログ。NGO・経済界(経団連、企業など)・政府(外務省など)が連携し、国内外の緊急人道支援を実施。寄付金・募金受付中。

「持続可能な暮らしの足を考えるフォーラム」が開催されました。

今年度より宮城に加えて岩手も担当することになりました三浦です。

少し前の話になりますが、昨年度末に「持続可能な暮らしの足を考えるフォーラム」が岩手、宮城、福島の3県で開催されました。こちらは宮城県石巻市で活動し、ご自身での移動が困難な住民の方を病院などへ送り届ける移動支援を行う団体、Rera(http://www.npo-rera.org/)がJPF共に生きるファンドを活用して実施したフォーラムです。

私も運営のお手伝いをさせていただきましたのでフォーラムのようすをご紹介させていただきます。

みなさま、「暮らしの足=移動」について考えたことありますでしょうか?
人は移動なしでは生きていけません。通勤も通学も通院も買い物も必ず移動が付いて回ります。旅行もデートもお墓参りだって移動無くして不可能です。家の外に出なくてもトイレやベットまで必ず移動します。

呼吸するように無意識に移動しているため、あらためて移動について考えたことがある方は少ないと思います。そんな日常ではあまり意識することがないけど実はとてもとても大切な「暮らしの足」について考えるフォーラムが開催されました。

岩手、宮城、福島それぞれの県で50人を超える参加者があり、行政、社協、企業、NPOなど様々立場の方々で活発な意見交換がなされ、参加された方々からは「勉強になった」、「みんなで考えなければならない問題だ」、「継続して開催してほしい」などの声がありました。

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ここでフォーラムが開催された背景について、少しご説明をします。
東日本大震災では多くの車が流され家庭や公共の足が奪われました。津波や原発事故の影響で道路が寸断されたり、応急仮設住宅や災害公営住宅、防災集団移転など居住地が大きく変わったりして、役所や学校、病院などの公共施設も移転を余儀なくされました。そのようなさまざまな原因で暮らしの足を支える復興支援活動が必要になりました。

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6年たった被災地ですが、震災前のような暮らしの足は復活していません。少子高齢化が10年進んだといわれる被災地においても、震災前と同程度の公共交通網を整備することは難しい状況です。そもそもバス停や駅まで歩けない高齢者や公共交通機関を利用できない障害をお持ちの方は、公共交通機関があるだけでは暮らしが成り立ちません。家族や近所、友人知人の送迎が必要になりますが、災害公営住宅などへの移転で核家族化が進み、地域コミュニティ形成もまだまだこれからという被災地では多くを期待できません。障害をお持ちの方や、通院が不可欠な高齢者など社会的に弱い立場の方が、移動できずに生活困窮に陥るケースが出てきています。明日食べるものを自分で買うことができない、友達にも会いに行けない、ご先祖様のお墓参りにもいけない。病院に通うなど生きるために必要な最低限の移動しか行えない方が実際に多くいらっしゃいます。公共交通や福祉の制度、家族の送迎など地域の中の移動手段をフルに活用して移動困難者を無くしていく必要がある、そのための第一歩となるべく開催されたのが今回のフォーラムになります。

暮らしを支える移動は大きく3つに分けられます。
ひとつはバスなどに代表される公共交通、
ひとつは施設利用者や障害をお持ちの方が利用できる福祉制度による移送、
ひとつは家族や隣近所による住民主体の送迎です。

すべての移動困難者を支える公共交通は、これからの世の中では期待できません。もちろん、福祉制度や住民が単独で担える移動困難者は限られます。公共交通事業者と福祉事業者、地域住民がそれぞれの事業でできることできないことを理解し、少しずつ補い合わなければ地域の中の移動困難は無くなりません。

公共交通や福祉、地域住民としての立場を超えて暮らしの足を考える第一歩となるのが「持続可能な暮らしの足を考えるフォーラム」。住民の取り組み、行政の取り組み、NPOの取り組みを紹介し合い、地域の移動をどうしたらよいのか会場全体で考える。そのような場が岩手、宮城、福島で各一回設けられました。

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震災を起因とした地域の課題の中には、日本全国で共通の課題となっているものも多く、そのような課題の解決には多くの方の知恵と実践の積み重ねが必要になります。本フォーラムをきっかけとして東北での暮らしの足の実践がより深いものになり、全国に広がっていって地域の課題解決に結びつけばと願っています。

地域事業部
三浦
※国内事業部は4月1日より地域事業部となりました。