ジャパン・プラットフォーム(JPF) 公式ブログ

緊急人道支援組織、認定NPO法人ジャパン・プラットフォーム(JPF)のブログ。NGO・経済界(経団連、企業など)・政府(外務省など)が連携し、国内外の緊急人道支援を実施。寄付金・募金受付中。

「交流の場作りと心のケア」セミナーを開催~心の拠り所となる場を目指して~

3月13日、ジャパン・プラットフォーム(JPF)加盟団体であるMdM(世界の医療団)の主催、ふくしま連携復興センター、みんぷく、及び相馬広域心のケアセンターなごみ(なごみ)の共催として、避難指示解除になった福島県浜通りにある富岡町文化交流センター学びの森で「交流の場作りと心のケア」セミナーを開催しました。

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心のケアプログラム MdMコーディネータから挨拶

JPFは今回、ふくしま心のケアセンターと共に後援団体という立場から本セミナーに参加しました。

当日、交流の場作りを行う支援団体、福島大学相双地域支援サテライト、Next Commons Lab南相馬、曹洞宗復興支援室、ふくしま心のケアセンター、NPO法人ビーンズ、みんぷくのコミュニティ交流員、川内村の保健師さん等約40名の方々が参加しました。 

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サロン活動やコミュニティ交流活動の現場の方々に多数お越し頂きました。

MdM(世界の医療団)はJPFの助成事業として、心のケアの専門家である精神科医や専門看護師、臨床心理師、社会福祉士を福島の浜通り避難指示解除地域に派遣してきました。

そして、クリニックや心のケアセンター、仮設集会所、復興公営住宅集会所、コミュニティ拠点等で多岐に渡り活動を展開してきました。内容も診療レベル、集団活動レベル、サロン活動・交流の場作りレベル、訪問活動レベル等のさまざまな階層で住民に溶け込んだ活動を実施してきました。 

セミナーでは、MdMの米田祐子さんの挨拶に続き、「集団活動を通しての こころのケア」についてなごみの立谷洋さんとMdMの 横内弥生さんからこれまでの経験を共有いただきました。

その後、「避難指示解除地域の集まる場」での支援活動の事例紹介がMdMの小松原ゆかりさんとなごみの伏見香代さんの掛け合いで行われました。

そして、「若者の社会参加を促す支援」について、なごみの西内実菜さんから発表がありました。

休憩を挟んで、「グループワークによる学び、 経験、 課題の共有-住民との接し方、交流の場づくり-」として参加者の中で、グループごとに話し合いを実施しました。

和気あいあいと和やかな雰囲気の中でセミナーは行われ、アンケート結果も「とてもためになった」という好意的な意見が多数よせられました。 

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グループワークの後の情報共有

福島は特に浜通りの避難指示解除が相次いで行われ、帰還が進む相馬地区及び双葉地区からの避難者を多く受け入れている、いわき等では地域づくりのニーズと併せて、こころのケアのニーズが高まっていくことが予想されています。

そこで、こうした専門家と繋がりながら交流の場やコミュニティベースで、心のケア活動の裾野を広げていくことがさらに重要になってきています。 

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心のケアの物づくりの作品展示

今回のような繋がりが発展し、ネットワークが広がることで、より多くの人達による何気ない交流の場が増え、心の癒しを得られるようになれば良いと感じました。 

東日本大震災から8年、今でも現地では生活基盤や環境の激変に伴うストレスや疲労、移転のたびに新たなコミュニティを築いていかなければならない精神的負担など、被災者の方々は多くの課題に直面しており、心の拠り所となる場が求められています。

今回のセミナーがその一助になればと願っています。 

 

写真は全て(C)JPF

JPF地域事業部(福島担当) 山中 努