ジャパン・プラットフォーム(JPF) 公式ブログ

緊急人道支援組織、認定NPO法人ジャパン・プラットフォーム(JPF)のブログ。NGO・経済界(経団連、企業など)・政府(外務省など)が連携し、国内外の緊急人道支援を実施。寄付金・募金受付中。

福島県浜通りの今とこれから (3/5 JPF主催 復興庁コーディネート事業報告会を開催しました)

■8回目の3.11を迎えて

 今月の11日で、東日本大震災発災から8年が経過しました。

堤防や公営住宅などの、いわゆるハード面における復興の順調な進捗が語られる一方、今なお続く在宅被災者の課題、山積みされている除染土やその再利用、先の長い廃炉への道筋など、『復興の終わり』と『終わらない復興』の双方が強調された情報が3月に集中して報道されたように感じました。

 ■ジャパン・プラットフォーム(JPF)の福島での活動と報告会の開催

 JPFでは、2011年から続く東日本大震災被災者支援 に加え、復興庁の被災者支援コーディネート事業を活用しながら、福島の避難指示解除地域でのコミュニティ再生の支援と福島県域で広がる可能性のある生活困窮などの支援者ネットワーク形成のサポートを2017年度から行っています。

  3月5日にはこの1年間の活動を総括して、私どもが事業を通じて関わりを持つ9つのネットワークに関する活動の状況報告を都内で開催しました。

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復興庁の事業を通じて、地域と行政の協働に関わることができた

JPFではネットワークの支援として、

1.浜通りの避難指示解除地域においては、まだ少ない居住者同士や支援者とのつながりを作ることにより、一度は止まってしまった地域コミュニティの再生を促進することを目的としており、

2.県域においては、2020年の復興創生期間を待たず減っている外部からの支援に加え、長引く避難生活や、様々な支援制度の終了による生活環境の変化や困窮に陥ってしまいそうな方々が増えてしまう可能性があり、4つのテーマ※1に絞り、支援者のネットワーク形成を行っています。

           ※1:4つのテーマ:生活困窮者、心のケア、子ども食堂、子育て女性

限られた数の住民や支援者のつながりを作ることにより、連携しながら地域コミュニティの再生や大小さまざまな課題に向き合っていける、外部からの支援の受け皿にもなれるような仕組みを残すことが目的です。

 このようなネットワークは、それ自体では一見、効果が見えにくいため、今回の報告会では浜通りで活動されている方々、とくに各地域でのネットワーク形成に関わられている関係者にご登壇いただき、現場に暮らし活動する者として、人と人のつながり、ネットワークによってどのようにコミュニティ再生が行われているか、お話を頂きました。

 ■浜通りの今 3年目の“ゼロからの”まちづくり

 震災からは8年経っていますが、福島県の浜通り(福島県は会津、中通りを合わせ、大きく3つの地域に分かれています。)、特に福島第一原子力発電所から20km圏内の避難指示が出された地域や放射線量が高かった地域は、避難指示解除からはまだ3年しか経過していません。JPFは復興庁の予算を活用し、重点的にその地域に関わっています。

また、『避難指示解除』 と言っても、地域のすべての場所が解除されたわけではなく、浪江町などは未だ8割近い町域が『帰還困難区域』のままです。

そして人口についても、各自治体の住民登録データでは、震災前の人口の7割から8割程度の住民が居住されているように見えますが、実際には震災前の5%から6%程しか居住されていない町もあります。

文字や数字だけの情報では、なかなか復興の実情がつかみにくいのではないかと思います。

  このように、浜通りでは一度停止したコミュニティの再生が始まったばかりのところで、今まさに“ゼロ”から地域づくりを始めているところです。

 各市町村ではまちづくりに力を入れ始めているところであり、また幸いなことに、住民側からまちづくりやコミュニティ再生に取り組まれている方々がおられ、

 官民問わない情報交換の場や産品づくりを通じた見守り、地元の情報収集、地域外から来られる方々の受入れなど、様々な活動をされています。 

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家庭菜園と産品づくりの組合せで行われる小高の見守り体制を紹介

 報告会では私どもが関わっている9つのネットワークの活動状況の報告に加え、南相馬市小高区から廣畑裕子さん、浪江町から和泉亘さん、双葉郡(富岡町)からは平山勉さん※2にお越しいただき、コミュニティ再生についてお話いただきました。 

 三人の方々からは地域の現状や人口が少ない町で行う町の魅力を活かした活動を紹介いただきましたが、共通しておっしゃっていたことは、『自分たちの地域の事は、自分たちで発信しなくてはいけない』という事でした。

 新しい地域づくりを行う中で、地域を問わず多くの方々に関わって頂きたい一方、福島や浜通りに関する情報は、発信される主体によっては現状とのズレが大きく取り上げられてしまうことが多いそうです。 

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双葉郡の内側からの情報発信を続ける双葉郡未来会議、 ふたばいんふぉの活動の活動紹介

 JPFでは次年度も定期的に被災地の情報を伝える場を設けていきたいと考えております。

 

※2:今回登壇いただいた方々について(活動のご紹介)

・南相馬市小高区 :廣畑裕子さん おだかぷらっとほーむ(http://3bplus1-odaka.jp/

・浪江町:和泉亘さん なみとも (https://futabafuture.com/2018/07/27/voice029/)

・双葉郡(富岡町):平山 勉さん 双葉郡未来会議(https://futabafuture.com/

 ふたばいんふぉ(https://futabainfo.com/

 

写真はすべて(C)JPF

 

ジャパン・プラットフォーム(JPF)地域事業部 藤原 航