今日はJPFの助成金により、加盟団体である公益社団法人シャンティ国際ボランティア会(以下、シャンティ)が実施している、移動図書館事業を紹介します。 この移動図書館事業は、岩手、宮城、福島の3県にまたがって運行されています。今日紹介するのは、福島県南相馬市での活動の様子です。南相馬市鹿島区は奥まったところに大規模な応急仮設住宅地があり、中心街へのアクセスも容易でないため、移動図書館を高齢者の方々などが楽しみにされておられ、本の貸し借りだけでなく、寄り合いの場、情報交換の場にもなっています。
図書館車の脇でお茶を飲みながら、しばらくお話をされていく方も多く、イベントなどには顔を出さない中高年の男性の方々も、本を借りに来たついでに話し込んでいかれるとか。女性スタッフのファンも多いようです。繰り返し定期的に訪れるので、信頼関係もでき、いろいろなお話を聞かせて頂くようになったとのこと。
現在、シャンティの山元事務所では、宮城県亘理郡の山元町と福島県南相馬市の20弱の応急仮設住宅をそれぞれおおよそ2週間に一度、移動図書館車で訪問していますが、平日の昼でも20人前後の方が利用され、夕方、土日はお子さんも多く見えられるそうです。
南相馬では応急仮設住宅を出て行かれる方もいれば、新たに入って来られる方もおり、入れ替わり立ち代りでコミュニティの維持が難しくなってきています。また生活再建のスピードも各々の状況や事情があり、格差やバラつきが大きく、分断され孤立しやすい状況があります。そんな中、行く先々で本を貸し出しながら、小規模な寄り合いの場を各地で提供しているシャンティの活動は今後も重要になっていくと思います。
ジャパン・プラットフォーム 福島拠点:山中