ジャパン・プラットフォーム(JPF) 公式ブログ

緊急人道支援組織、認定NPO法人ジャパン・プラットフォーム(JPF)のブログ。NGO・経済界(経団連、企業など)・政府(外務省など)が連携し、国内外の緊急人道支援を実施。寄付金・募金受付中。

福島の避難指示解除地域と困窮者支援(東日本大震災被災者支援)

ジャパン・プラットフォーム(JPF)地域事業部の山中です。

今回は、2月に、いわき市内で開催された交流イベントと福島の避難指示解除地域の現状について、「困窮者支援」と「フードバンク」という観点から現地での活動をご紹介させていただきます。 

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 2月16日、いわき芸術文化交流館アリオス前の広場で、いわき大交流フェスタが開催され、数多くの団体が出展し、雨天にも関わらず2,000名近くの方が来場されました。JPFが業務委託契約を結んで協働する、県域中間支援組織の「ふくしま連携復興センター」、浜通りいわきの中間支援組織「みんぷく」の2団体、そして、「共に生きる」ファンド助成先団体である「ザ・ピープル」が合同で困窮者支援ネットワークのブースを出しました。

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ザ・ピープルのブース(いわき大交流フェスタ)

 ブースでは、フードバンクによる困窮者支援モデルのチラシなどを配布しましたが、緊急を要する食糧支援の要請は、どんどん増えていて、昨年度は90ケース以上の依頼があり、今ではいわきだけでなく、避難指示解除地域の自治体や福島県の中通り地域からの要請も増えています。10%以上が避難者からの緊急を要するニーズです。避難指示解除に伴い様々な支援策も打ち切りになる中、困窮状態に陥る避難者が増えています。食糧支援の内容は、数日分~2週間分と、ニーズや要望に合わせて変わります。このモデルでは、行政や社会福祉協議会を通して支援が行われますが、支援スタッフからは、フードバンクがあって本当に良かったという声が聞かれます。 

 昨年、避難指示解除になった大熊町の大川原地区では復興公営住宅の建設が進み、住民の帰還が一部で始まりました。今年3月には双葉町も一部避難指示が解除されましたが、これは住民の帰還を想定したものというよりは、常磐線の再開によるものです。これによって、浜通り経由の品川~仙台間の路線がつながり、富岡でバスに乗り換えて浪江まで行き、浪江からまた電車に乗り換えるという不便な状況は改善されました。

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大熊町大川原地区の様子

 しかし、大川原地区では低線量地域の一部だけに新しい建物が立ち並びましたが、その周りは閑散としており、いまだ線量も高く、農業も商業も、住民の営みは乏しいのが実情です。また、双葉町でも駅周辺は解除になりましたが、他の地区では、住民の帰還のための除染作業などが必要とされている状況です。

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双葉駅とその周辺の様子

 福島では、避難指示 が解除されて一部で帰還が進む一方、それに伴い分断や孤立、生活困窮の問題も出てきていることも見逃せません。もちろん緊急の食糧支援のニーズも増えています。福島は、復興フェーズにおける新たな課題に直面しているのではないでしょうか。 

JPF地域事業部

▼JPF東日本大震災被災者支援特設サイト http://tohoku.japanplatform.org/

▼ふくしま連携復興センター https://f-renpuku.org/

▼みんぷく http://www.minpuku.net/

▼ザ・ピープル https://npo-thepeople.com/