右がNPO法人しんぐるまざあず・ふぉーらむ・福島の理事、遠野さん、写真左が理事の安達さん
ジャパン・プラットフォームの東日本大震災被災者支援で行っている「共に生きる」ファンド第8回で、被災した子どもの県外への体験トリップと、郡山市内でのイベント「ふくしまっ子クラブ」の活動事業に助成させて頂いた、NPO法人しんぐるまざあず・ふぉーらむ・福島の理事 遠野 馨さんに、支援活動や福島の現状、ジャパン・プラットフォームに対する印象等を伺いました。
――まず、今年の3.11はどのように過ごされましたか。
遠野さん「あまり意識しすぎないようにしながら、早く一日が終わることだけを望んでいました。思い出すと辛い事ばかりなので」
――そうなのですね…。それでは、現在の福島の現状をどのように捉えていらっしゃいますか。
遠野さん「福島では、原発事故がありましたから、震災後から2年経った今も、先が見えないような状態です。避難者の方のなかには、地域から孤立し不自由な避難生活を強いられている方もいます。県外避難者は未だに増えています。福島では、多くの人が低線量被爆を受け続けているという見えないリスクの中で、精神的なストレスが増え続ける不安な毎日を送っています」
――しんぐる・まざあず・ふぉーらむ福島さんでは、どんな支援活動をおこなっていらっしゃるのですか。
遠野さん「震災前までは主に、ひとり親家庭の支援を行っていました。震災直後からは被災女性と子どもの支援、具体的には物資支援などを中心に行いました。避難所が閉鎖した後、大体2011年8月頃からは被災女性と子どもの居場所つくりとして、仮設住宅の集会所で茶話会、手仕事ワークショップ、相談会などを行っています。昨年の6月からは郡山市内に、福島女性支援センターという場所を設けて活動しています」
――支援活動の課題や難しさについて、お教え頂けますか。
遠野さん「見えない放射能への不安が一番大きいです。正確な情報が分からないまま、不安な気持ちをあおるような情報もあり、精神的にも肉体的にも辛い日々を送るなか、福島県民が手を取り合って支援活動を続けています。
それでも、支援者の疲れはピークにきています。支援者の心のケアなども課題になっていると思います」
――支援活動はあとどれくらいの期間続けていらっしゃるお考えですか。
遠野さん「原発が収束し、放射能の線量が下がらなければ、避難者の方々は故郷にも帰ることができません。避難者の方が安心して故郷に帰れる日まで、支援は続けるべきだと思っています。ですので、ウルトラマンがきて、原発を宇宙にでも持って行ってくれるようなことがない限り、支援期間の期限を区切ることは難しいでしょうね」
――ジャパン・プラットフォームを知ったきっかけは何でしたか。
遠野さん「不登校の子どもたちの支援をしている、県内のNPO寺子屋方丈舎の方から紹介されました。
その時、ジャパン・プラットフォームの福島担当の方が、ちょうど「味の素さんが、味の素さんのスキンケア製品を被災地で配って支援したい」というお話をもっていらして、配布先を探していたんです。そこで、うちの団体が紹介されて、仮設の集会所でうちの団体を通じて、化粧水、クリーム、乳液、洗顔フォームのスキンケア4点セットを200セット位配っていただきました。大変好評で、あっという間になくなってしまい、再度ジャパン・プラットフォームさんにお願いしたら、味の素さんにかけあってくれて、確か追加で100セット位さらに頂くことができたのは嬉しかったですね」
――最後にジャパン・プラットフォームにメッセージをお願いします。
遠野さん「ジャパン・プラットフォームの福島担当の方が、「共に生きる」ファンドの助成を含め、色々な情報提供などを行ってくれました。支援者に対する心のケアの先生も、その方からご紹介いただきました。とても親切で親身に相談にのっていただけたので、とても感謝しています」
ジャパン・プラットフォーム 豊島
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