ジャパン・プラットフォーム(JPF) 公式ブログ

緊急人道支援組織、認定NPO法人ジャパン・プラットフォーム(JPF)のブログ。NGO・経済界(経団連、企業など)・政府(外務省など)が連携し、国内外の緊急人道支援を実施。寄付金・募金受付中。

NPO活動における会計講座を開催

こんにちは。
ジャパン・プラットフォーム(JPF)の藤原です。

震災から7年が経ち、福島の避難指示解除地域では、徐々に人が戻りつつあり、新たなイベントやしばらく休止していた富岡町の『桜まつり』が復活するなど、春の知らせを感じるようになってきました。 JPFでは、東日本大震災の被災者支援を行う中で、福島県の『浜通り』地域と、いまだ避難者の多い中通り・会津・県外地域との両方を対象に、復興等の活動を行う市民活動団体の支援に力を注いでいます。

福島県全域で言えることは、震災以前より、『お祭り』など生活の一部となっている地縁活動は非常に活発で、住民同士の結びつきも強かったのですが、いわゆる法人格や団体としての要件を明示的に整えた、組織化されたNPOやボランティア活動はそれほど盛んではありませんでした。 また、避難生活の長期化や地元への帰還の過渡期ということもあり、数少ないNPO団体は、年を追うごとに仕事量が増え、少ない人員や経営資源の中で、事業が急拡大しているところが多いです。

一方で、これまでも内陸のいわゆる福島県中通りでは、適宜必要な会計講座などが地元の中間支援組織等を通して行われていましたが、浜通りからの参加は距離的な要因もあり、限定的でありました。なかなか浜通りでは会計講座に参加できる機会がないという声も実際にありました。 そのような団体の方々に対し、事業立案や運営の支援を行うメニューの一つとして、会計に関する講座を12月に開催しました。(復興庁「被災者支援コーディネート事業」の一環) 講座には、JPFの顧問公認会計士である高野寛之先生(高野寛之公認会計事務所)をお招きし、NPO活動における会計に関する基礎的な内容に関する講義や各団体個別の課題についての相談に対応いただきました。

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高野寛之先生(C)JPF

(法人格のある)NPOの会計は、NPO法人自体が、他の法人に比べ、歴史が短く、その会計基準が整備途上にある点や、『収益』に関するとらえ方のNPO法上と税法上の違いに対する誤解など、難しい点がいくつかあります。 今回の講座では、主に企業会計にも、NPO会計にも精通されている高野先生から、その違いに焦点を当て、わかりやすく説明を頂き、予算遵守のNPOに対し、決算が重要視される企業の会計に関して、決算書の認定機関が理事会や社員総会であることなどについて説明を頂きました。

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8団体12名の参加(C)JPF

それらの違いに関する説明に加え、

・試算表の活用について(ミスの早期発見)
・補助科目を使った効果的か会計ソフトの活用
・会計士との『クラウド』サービスを通じた効果的な連携
・会計事務所との付き合い方や会計の外部化・内部化について、など、
実務に効果的なアドバイスもありました。

 

また、個別の相談では、
『クラウドファンディング』の取り扱いについて
『認定NPO法人』取得について
など、数年前では出されなかったような、資金調達方法の多様化や
寄付文化の浸透を感じざるを得ない質問が多数寄せられていました。
このほかJPFでは、コミュニケーション講座など対人関係の円滑化といった
支援を通して、団体の活動促進などを行っています。

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ジャパン・プラットフォーム(JPF)地域事業部 藤原