ジャパン・プラットフォーム(JPF) 公式ブログ

緊急人道支援組織、認定NPO法人ジャパン・プラットフォーム(JPF)のブログ。NGO・経済界(経団連、企業など)・政府(外務省など)が連携し、国内外の緊急人道支援を実施。寄付金・募金受付中。

JPF退職のご挨拶(東日本大震災被災者支援)

JPF地域事業部福島担当の山中です。

突然のことですが、この度、7月末でJPFを退職することになりました。

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東日本大震災の被災地にて

 思い起こせば、2010年4月にJPFに入職して以来、アフガニスタン平和構築、チリ大地震大津波被災者支援モニタリング評価、即日出動態勢整備、そして、東日本大震災被災者支援と、重要な節目に関わらせていただきました。 

 東日本大震災被災者支援では、2011年3月19日に被災地入りして以降、宮城県社協、東松島市社協、女川町社協のボランティアセンターの皆様と一緒に支援活動に取り組ませていただきました。 

 2011年10月からは遠野を拠点に岩手をかけずり回り、その後、岩手と福島を行ったり来たりすることになり、2013年からは福島に拠点を移動、2016年からは浜通りのいわきに拠点を移し、本年5月31日まで現場の担当として、関係者の皆様には、大変お世話になりました。

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西日本豪雨の被災地で他団体と連携調整

 この間、いたらないだけでなく、見た目もいかつく、ソフトな印象を持ち合わせない私のようなものを温かく支え導いてくださった皆様には、本当に感謝しております。 

 JPFでの最後の任地となった福島の複合災害の現場は、国際的な人道支援の観点から見れば、人間の安全保障にもとる状況からの解放における課題、また、国内避難民(IDP)の課題も残っています。SDGsの1番目に位置する困窮の課題、3番の全ての人の健康に対する課題、14番、15番の生態系及び大自然と人間の関係性における課題等、まだまだ課題が山積みです。むしろ世界的な課題先進地とも言えるでしょう。 

 そして、これらの福島の課題は、実は私が海外でこれまで関わってきたブラジル、中国朝鮮族自治州、東ティモールの課題と密接に結びついているものでもあります。国内でこれまで携わってきた教育、子ども支援、滞日外国人支援、全ての人の健康、ソーシャル・ワーク等とも深く関わっています。 

 さて、そのような福島の課題解決のため、8月からは「ふくしま連携復興センター」でお世話になることになりました。同センターでは、これまでJPFとの業務委託契約に基づき協働で進めてきたネットワーク構築を、さらに持続可能で強固なプラットフォームへと発展させるために尽力してまいります。具体的には、災害困窮者支援、心のケア(社会心理的支援)、浜通り避難指示解除地域、阿武隈里山の避難指示解除地域、更には子ども支援、県外避難者支援の拠点などのネットワーク構築とアドボカシーにも関わっていく予定です。

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第7回JPFメディア懇談会において

 先に述べたように、私のこれまでの活動と国際的な視点で見た福島の課題は密接に結びついており、福島の課題に継続して取り組み発信することは、絶えず自分の足元を見つめなおすということです。つまり、福島の課題をおざなりにしてしまうのであれば、この先、国際的な価値観である人間の安全保障、子どもの権利条約、避難しているのに避難として認められず、なかったことにされてしまうIDPの課題、そして、SDGs等に対して、何も言えないのではないかと考えています。

 JPFとしても福島におけるIDPの課題に今後取り組んでいくことが決まり、今後は現場により寄り添う立場から、JPF等の国際人道支援と福島をつなげていければと願っています。

 ネイティブアメリカンの言葉に、自分の来た道を振り返り足元を見れば、この先どこに行くべきかが分かるというものがあります。学生時代、サッカーをしていましたが、ドリブルで敵陣を突破しようとする私に、回りの仲間はいつもパスを繋げ、回せと叫んでいました。 

 課題先進地域と言っても、それはイバラの道であり、決して平坦な道のりではありませんが、身を投じ、福島の仲間とパスを繋ぎ合いながら、共に歩んで行きたいと思います。 

JPF地域事業部 山中

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JPFへの最終出勤日

▼JPF東日本大震災被災者支援

http://tohoku.japanplatform.org/

▼ふくしま連携復興センター

https://f-renpuku.org/