ジャパン・プラットフォーム(JPF) 公式ブログ

緊急人道支援組織、認定NPO法人ジャパン・プラットフォーム(JPF)のブログ。NGO・経済界(経団連、企業など)・政府(外務省など)が連携し、国内外の緊急人道支援を実施。寄付金・募金受付中。

ソウルフードとコミュニティ再生

先日参加した、「浪江復興まちづくり協議会」と、ジャパン・プラットフォーム(以下JPF)が助成する「ふくしま連携復興センター」「まちづくりNPO新町なみえ」の主催で開催された復興まちづくりシンポジウムにおいて、関西学院大学の山中教授の基調講演が非常に印象的だった。特に「まちづくりや分断されたコミュニティを繋ぐために、そのまちのアイデンティティの構築と保持が欠かせない。」という言葉が脳裏に焼き付いている。そこでビキニ環礁での水爆実験で分散されたロンゲラップ共同体の事例などが報告された。その当時はソウルフードとしてジェンコンというタコノキようかんが、コミュニティのアイデンティティを維持し、分散されたコミュニティを繋ぎとめ、新たにコミュニティを再生する上で重要な役割を果たしたという。

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(復興まちづくりシンポジウムの様子)

東日本大震災の被災地域でも、ソウルフードともいうべき地域特有のB級グルメに遭遇することが多々ある。とりあえず、すぐ思い当るところで言うと石巻焼きそば、釜石ラーメン、なみえ焼きそばなど。そういったソウルフードは地域の歴史や生活習慣、特性と深く結びついている場合が多い。そうめんのように細い釜石ラーメンは、炭鉱労働者が仕事終わりに軽く腹を満たしたい時、極細麺のラーメンを食べていたことが始まりだとか。逆になみえ焼きそばは、家から遠く離れた場所にある畑に農作業に行く時、十分に腹を満たして、昼も食事に帰って来なくて良いように、うどんのような極太麺の焼きそばを食べていたことが始まりだとか。

JPFが助成して行われていた「まちづくりNPO新町なみえ」の‘夢の未来を実現し帰還の環境を整えるプロジェクト’でも全国各地に散らばってしまった浪江町民のアイデンティティを取り戻し、分散されたコミュニティを繋ぎとめるアイテムとしてなみえ焼きそばが重要な役割を果たした。また念願かなって昨年は、B-1グランプリで見事初優勝を果たした。

なみえ焼きそばは極太麺(一見うどんかと思ってしまうがうどんではない。れっきとした焼きそば麺である。)に厚切りの豚バラ三枚肉にもやしたっぷりで炒めたものであるが、食べ方として、好き好きであるがニンニク入りのとうがらしをかける。私はかなりの辛党なので、たっぷりかけてしまう。(一般的には一味唐辛子を使用する。)

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(ニンニク入り唐辛子をたっぷりかけたなみえ焼きそば)

現在二本松市民交流センター内1階には、唯一避難先で復活した浪江の食堂「杉乃屋」がある。そこに行けば、なみえ焼きそばを堪能することができる。隣には、やはりJPFで資金助成していたコーヒータイム(浪江から避難してきた障がい者のカフェ活動)があり、焼きそばを食べ終わった後、おいしいコーヒーとソフトクリーム、ケーキが味わえる。

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(唯一避難先で復活した食堂でなみえ焼きそばを出す杉乃屋)

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(杉乃屋の隣にあるコーヒータイム)

みなさんも二本松にお越しの際は、是非お立ち寄りください。

ジャパン・プラットフォーム福島担当:山中

 

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