ジャパン・プラットフォーム(JPF) 公式ブログ

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5年ぶりに再開したJR常磐線「原ノ町駅~小高」に乗って福島県南相馬小高地区を散策

7月12日火曜日、1万人超を対象に、小高地区を中心とした南相馬の避難指示地域の大部分が解除されました。そして小高に電車が再び開通しました。JR常磐線のうち、避難指示地域の指定が解除された区域が含まれる原ノ町駅~小高駅間の9・4キロで、5年4か月ぶりに運行が再開しました。あえて原ノ町から電車で小高に行ってみました。

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途中窓から外を見ると、海と山と田園が広がり、息を呑むほど美しい風景が広がります。

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小高駅に着くと「野馬懸け」の祭りの旗が迎えてくれました。

「野馬懸け」とは、いわゆる「野馬追い」と共に行われる、小高特有の祭りで、野生の馬を人が追いたてながら岡の上にある神社まで押し上げて奉納し、願を懸けるお祭りで、これが絵馬として全国に広がったと言われています。

元々、本物の野生馬を神社に奉納して願を懸けていたのが、絵の馬に願い事を書いて神社に奉納する風習として全国に広がったのです。今年の野馬追いは、7月23日から25日にかけて行われますが、23日の出陣式、本陣集結、宵乗り競馬、24日の行列、甲冑競馬、神旗争奪戦を経て、25日の最終日に野馬懸けは執り行われます。

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歩いて小高神社に向かう道の途中も、山から川が流れ海に注ぎ込む風景が実に美しいです。

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小高神社はもともと、小高城、別名「紅梅山浮船城」と言われるお城でした。洪水などの時には、周りが水で囲まれ浮いた船のようになるので、浮船城と呼ばれたそうです。南北朝の頃、北畠顕家率いる南朝の軍勢に対抗するため、建設されました。小高には、この浮船という言葉を使った建物が他にもいくつかあります。

原発事故から5年が過ぎ、南相馬小高地区を中心とした避難指示解除に際して多くの課題が山積し、様々な問題が浮き彫りになっています。しかし、この小高の山河の美しい風景、馬に願いを乗せて神に届ける風習、紅い梅の山や水に浮かぶ船はいつまでも在り続けることでしょう。

ジャパン・プラットフォーム 国内事業部 山中

 


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